達成感?実プレイ?何の事です?


対応レベル:1〜2



導入

作成されたばかりのPCが仕事を求めて冒険者の店にたむろしていると、
突然店のドアが開き、屈強な護衛に囲まれた金髪の美少女が店に入ってくる。
少女は薄汚れた店に似つかわしくない豪奢なドレスを纏っており、いかにも気の強そうな顔つき。
その少女は店主を呼び出すと、こういう依頼をしたいのだけど、と話を始める。
店主はへり下った態度で愛想笑いをし、もみ手をしながら少女に応対する。

この間、PC一行の存在は完全に無視される。
少女の高い声はよく響くので耳を澄まさなくても会話は聞こえてくる。
どうやら遺跡探索の仕事を冒険者に頼もうとしているらしい。
また店主が少女をシンシア様と呼んでいることも分かる。
シンシア・スタイナー(人間、女、17歳)
一般技能:ノーブル4
国内有数の大貴族スタイナー家の一人娘。
甘やかされて育ったせいか非常に高飛車かつワガママ。
誰に対しても高慢な態度を取るが、実は惚れっぽくツンデレ。
キャンペーンの主軸となるヒロインなのでPLに深く印象付けること。

話が進み、どの冒険者パーティに仕事を頼むかという段になると、
シンシアは突如「そこの連中!」とPC一行に指を突きつける。
そして「この私が直々に指名してあげるから光栄に思いなさい」と偉そうに宣言する。
どうやらその場の思いつきでPC一行に仕事を任せることにしたらしい。
店主は「もっとマシな連中が……」と慌てて止めようとするが、
シンシアは一度決めたことを撤回するのが大嫌いな性分なので聞き入れようとしない。

そのままシンシア(+護衛)はPCの返事も聞かず店を去っていく。

伝説の指輪

店主は蒼白になり『よりによってこの素人集団かよ』という表情でPC全員を見渡す。
しかしシンシアが決めた以上、他の選択肢は無い。
もしスタイナー家の依頼を失敗するようなことがあったら店の評判はガタ落ちになってしまうだろう。
こうなるとPCに仕事を受けてもらい、絶対に成功してもらわねばならない。
もしここで断るそぶりを見せると、店主はあらゆる人脈を使ってお前らの未来を潰すと脅迫してくる。
ブラックリストを回して他の冒険者の店でも仕事をできなくしてやる、と。
それでもPCが断るようならキャンペーン崩壊となるので新規キャラクターを作成するように。

PCが仕事を受ける場合、店主は改めて詳細を説明する。
シンシアが求めているものは「巡る光」という銘を与えられた一つの指輪だった。
カストゥール時代の初期、芸術家としても名高い付与魔術師が生み出した秘宝で、その価値は計り知れない。
巡る光
偉大な付与魔術師が恋人のために創造したミスリル銀製の指輪。
虹色に輝く太陽と月と星の意匠が凝らされ、まさに天上の美しさを誇る。
芸術的価値だけでなく毒無効・精神攻撃無効といった実用的効果まである。

この「巡る光」が眠るという遺跡の地図がスタイナー家の蔵で発見されたので、シンシアはただちに手に入れようと考えたらしい。
ただし見つかったのはあくまで遺跡までの地図であって、内部の見取り図ではなかった。
未盗掘の遺跡なので内部にどれだけの危険が眠っているかも不明。
駆け出しのPCだと全滅してもおかしくはない。
「でも、やるんだよ!」と店主は鬼気迫る表情でPCの胸倉を掴む。

シンシアは「巡る光」以外には興味がないらしく、遺跡で他の財宝が見つかったなら全て冒険者の所有物にしてもいいと語っている。
また指輪を無事に回収できたなら1人10万ガメルの報酬を支払うと約束している。
なので、もし任務に成功したなら非常に見返りは大きい。

情報収集

魔術師ギルドや美術商などで調べれば多少は指輪に関する情報が集まる。
「巡る光」はカストゥール時代の中期に遺失しており、現在まで見つかっていない。
問題の遺跡の主人は装飾品の収集家として知られる女魔術師と推定される。
ただし女魔術師の魔術師としての腕は二流だったらしい。
その女魔術師が「巡る光」を所持していた?ような記録も確かにある。
…など。

指輪の遺跡

街から問題の遺跡までは5日ほどの距離。
遺跡の入り口は岩に偽装されているが下位古代語の合言葉で開く。
合言葉は「真実の美をこの手に」で、これはシンシアから教えられている。

大仰な合言葉の割に遺跡はこじんまりとしたもので部屋数も少ない。
遺跡を守る魔法生物は低レベルで、仕掛けられたトラップも初歩的な機械仕掛けのものばかり。
オーク
完全版P239参照。持続時間が永続であるだけ。
ドア・イミテーター
完全版P241参照。重要な部屋の扉に配置されている。

遺跡を進んでいくと宝物庫という札のかかった部屋が見つかる。
しかしファイアボールでも炸裂したのか内部はひどい有様。
元は多数の宝飾品が並んでいたようだが、ほとんどが焼け焦げてしまっている。
しかも棍棒か何かで念入りに叩き潰したようで現在ではただのゴミの山。

部屋を調べても「巡る光」の特徴に一致する残骸は見つからない。
なお破壊された装飾品はいずれもで作られており、それらを回収することも可能。
PCがそれらを詳しく鑑定しようとしたなら、判定は1人1回までとする。
達成値が16以上であれば、全てが貴金属に見せかけた安い模造品だとわかる(そのため残骸となっては無価値)。
しかし達成値が15以下だったら本物の金・銀だと誤認してしまう。

女魔術師の部屋

遺跡の最深部には「研究室」と札のかかった広間がある。
広間の中央には大きな丸テーブルと椅子があり、白骨死体が突っ伏している。
問題の「巡る光」は白骨死体の指に嵌められているのが一目で分かる。
その右手にはペンが握られていて、テーブル上には何かを書き残したがあるが、
死体が邪魔で紙に書かれた文章を読むことはできない。
また死体を見守るようにガーゴイル型の石像が4体、部屋の四隅に鎮座している。
ガーゴイル(1〜4体)
完全版P242参照。
PCが女魔術師の死体に触れようとしたら襲いかかってくる。
(石像を攻撃しようとした場合も自動的に戦闘になる)
4体の石像のうち何体をガーゴイルとするかはGMがアドリブで決める。
PCの戦力や消耗具合を考慮して適度なバランスになるよう調整すること。

ガーゴイルを全滅させれば指輪を回収でき、紙の字も読むことができる。

女魔術師の遺書

死体はこの遺跡の主人である女魔術師だった。
テーブル上の紙は遺書で、彼女の悲惨な人生が綴ってある。
彼女の生きがいはブランド自慢で、高価な宝飾品を買い集めては知人に見せびらかしていた。
中でも伝説の指輪「巡る光」が最大最高の自慢だった。
しかしある日、彼女に匿名の手紙が届いた。
「貴女の集めた品物は安物ばっかりですよ。見る目なさすぎます(笑)」と。
怒り狂った彼女は信頼できる者にコレクションの鑑定を依頼した。
すると「非常にお気の毒ですが、一つ残らず贋作です」という非情な結果が返ってきた。

他人に自慢しまくった過去が走馬灯のように女魔術師の脳裏を駆け巡っていった。
正気を失った彼女は「巡る光」以外の全コレクションを破壊した。
そしてこの指輪だけは本物だと信じて遅効性のを飲んだ。
本物であるなら毒無効の魔力によって死なずに済む。指輪さえ本物なら、まだ挽回できる……。

女魔術師の遺書はそこで終わっている。
もちろん指輪も偽物で、彼女は苦しみながら憤死した。
ちなみにこの偽の「巡る光」の売却価格はせいぜい1000ガメル程度。

冒険の結末

1.シンシアに事実を伝える

シンシアは「巡る光」を回収できなかったと聞いた瞬間にPCをグズ無能役立たずと罵る。
しかし遺書を見せたりして詳しく事情を説明すれば徐々に納得の表情になる。
最終的には「見る目のない女っているのねぇ」と、PCを罵ったことも忘れて呆れ顔。

当然ながら約束の報酬を貰うことはできず大幅に減額される。
「巡る光」を持ち帰れば1人10万ガメルの約束だったが、手間賃として1人1000ガメルだけが支払われる。
それでも冒険は成功なので1000経験点

シンシアは文句を言いつつもPCの実力は認めたようで、彼女なりに激励してくれる。
「あんたたち、私には見る目があるって証明しないと許さないわよ!」と。
PCがよくわからないような顔をしているなら、
「私が見込んだ冒険者なんだから責任を持って一流になりなさいって言ってるの!」と少し顔を赤くして説明する。

2.シンシアを騙す

偽物と伝えず遺跡にあった「巡る光」を渡すことも可能。
上機嫌のシンシアは約束通り1人10万ガメルの報酬が支払ってくれる。
こっちも一応は1000経験点とする。

しかし、指輪の鑑定や女魔術師についての研究は進められるのでやがて真相は明らかになる。
数ヵ月後には「PCは知ってて隠していたのでは?」と疑われるようになってしまう。
なんとなく冒険者の店でも冷遇されるようになり、周囲の態度も余所余所しくなる。

一時の利益に目を曇らせ冒険者としての信義を裏切るのはよくないね、と教訓を得てキャンペーン終了
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