達成感?実プレイ?何の事です?


対応レベル:4〜6



導入

冒険者の店にいると、ヘンリーと名乗る魔術師風の男から声をかけられる。
魔術師ギルドの導師からの依頼らしい。
ヘンリーの身元は冒険者の店の主が保証してくれるので間違いない。
ヘンリー(人間、男、27歳)
冒険者技能:ソーサラー4、セージ3
魔術師ギルドで導師の助手をやっている神経質そうな青年。

ヘンリーは事情を説明する。
彼と同じ導師に見習いとして仕えているティムという少年がいる。
ティムは田舎の農村の出身だが非常に飲み込みが早く、将来を期待されている。

数日前、ティム少年は大切な用事があるからと休暇を取って故郷の村に戻っていった。
導師も同じ日に隣街に出かけていたのだが、今日になって導師が帰還すると大変な事実が発覚した。
なんと研究中だった危険なマジックアイテムが導師の部屋から消えていた。
ロケーションを使ってみると、ティムの故郷の方角にあることが分かった。
なんとティム少年が危険なアイテムを持ち出していたらしい。

取り返しのつかない事態が起こる前にアイテムを回収してほしい……とヘンリーは汗ダラダラ。
他の冒険者は店にいないし、急ぐ必要があるのでPCに受けてもらわないと困るらしい。
報酬は十分な金額を用意してもらえる。うまく交渉すれば報酬の吊り上げも可能。

もし依頼を受けるなら即座に出発することになる。
ロケーションで靴の位置を確認できるヘンリーも同行する。

夢幻の靴

以下はティムが持ち出したアイテムについての解説。
これは依頼時にヘンリーが隠さず説明してくれる。
夢幻の靴
七色の光を放つ美しいガラスの靴。
身につけた者に夢幻界の存在を憑依させる魔力がある。

という大変危険な代物。
どのような魔物が憑依するかは不明(導師がこれから調査する予定だった)。
しかし、それが凶暴な魔物だったら大変な事態になるのは間違いない。
導師(人間、男、43歳)
冒険者技能:セージ6、ソーサラー4
念のためデータ。賢者タイプでフライトにはレベルが足りないので冒険者に回収を依頼。

ティムの身の上

ティム少年の故郷の村までは急げば2日ほどの距離。
旅の間にヘンリーはティムがギルドに入門した事情などを話してくれる。

ティムは農村生まれだが、幼い頃から本ばかり読んでいた変わり者だったらしい。
母親は生まれてすぐに亡くなり、地主だった父親も一年前に死亡。
ティムにはディーナという姉がいたが、彼女は残された遺産をティムのために使うことにした。
遺産の大半を投じてティムを街の魔術師ギルドに入門させ、彼女自身は村で質素な生活を続けた。
(あの人も街に来ればよかったのに……とヘンリーは残念そう)
ティム(人間、男、14歳)
冒険者技能:セージ2
姉想いで素直な少年。立派な賢者になって姉を喜ばせるのが夢。
ディーナ(人間、女、18歳)
一般技能:ファーマー2
弟の幸せを願う心優しい姉。村でも評判の美少女。

惨劇の村

PC一行がティムの故郷の村に着くと、まるでゴーストタウンのような雰囲気。
誰もが戸を閉ざし、表を出歩いている者は一人もいない。
しかしPCが武装していると気づいた何人かの村人は「助けて下さい」と泣きながら頭を下げてくる。

事情は以下の通り。
数日前の夜、突如恐ろしい怪物が出現し、村人を襲うようになった。
最初の犠牲者はその日の昼に結婚式を挙げたばかりの新郎で、妻の方は行方不明
きっと彼女も怪物の犠牲になったんだろうと村人たちは涙を流す。
翌日以降も、怪物は不定期に村を訪れては、村人を襲っている。
街に救助要請に向かった村人も帰ってこないので殺された疑いが強い。
これまでに殺された村人は合計10人以上に上る。

ここで行方不明の女性の名前を聞くなら、村人は即座にディーナと答える。
(鈍いPCがその質問をしないならヘンリーが震えながら聞くとする)
結婚したばかりなのに夫婦共々怪物に殺されてしまうなんて……と涙ぐむ村人たち。
この様子だけでも彼女が大変な人気者だったことが分かる。

領主のいない小さな村だが、村長はPC一行に正式に怪物退治を依頼する。
報酬は精一杯の金額を約束してくれる。
この頼みをどう聞くかはPC判断。

怯えるティム

村人にティムの所在を尋ねれば、ディーナの夫(故人)の家だと教えてもらえる。
姉の結婚式のために戻って来たのにこんな事件に巻き込まれるなんて……と、村人たちが彼を疑っている様子は全くない。

教えられた家に行けば、ティム少年は奥の部屋で毛布をかぶって震えている。
嘔吐失禁した跡が部屋のあちこちにあり、大変な悪臭。

ティムはずっと食事を取っていないらしく衰弱している様子。
もはや精神的にもガタガタだが、厳しく問い詰めれば半狂乱で事情を話す。

ティムは姉が近々結婚すると聞き、何か祝いの品を贈りたいと思った。
しかし導師はケチ金に汚い人物なので給料の前借りを許してくれるとは思えない。
そこで悪いとは思いつつ、導師の研究室にあった美しいガラスの靴を盗んでしまった。
街に戻ったら正直に事情を話し、給料から返済していくつもりだった。
しかし結婚式の日の夜、プレゼントした靴をはかせた途端に姉は恐ろしい怪物に変身した。
まさか呪われた靴だったなんて……と少年は嗚咽する。

ティムはヘンリーに泣きながらすがりつき、「どうか姉さんを助けて下さい!」と懇願する。
しかしヘンリーは顔を歪めるだけで返答せず。
ティムはうなだると、また毛布にくるまって部屋の隅にうずくまる。
姉や殺された義理の兄に泣きながら謝罪する声が陰気に響く。

怪物退治

村人に話を聞くなら、怪物は裏山に潜んでいるらしい。
しかし村を襲撃することもあるので、できれば村で待機していてほしい、というのが村人の意見。
ヘンリーのロケーションで靴(=怪物)の位置は確認できるが、山狩りをするか村で襲撃を待つかはPC判断。

ディーナを元に戻す方法をヘンリーに尋ねる場合、彼は難しい顔をする。
夢幻の靴は魔法のアイテムなので破壊するのは不可能。
生き物の肉体に一体化する性質があるので、死体にしなければ魔力は解除されない。
唯一の可能性として、足首から切断して靴と肉体を分離すれば元に戻るかも……。

しかし仮にディーナが元の姿に戻ったとしても、両足を失っては生活は困難だろう。
何より夫を始め何人もの村人を殺したという事実は消えない。
このまま「怪物」として殺すのが彼女のためでは……とヘンリーは苦渋の顔で語る。
ヘタレのヘンリーは決断は君たちに任せると丸投げしてくる。

村の近くにいれば、いずれは夢幻の怪物となったディーナと遭遇する。
怪物ディーナは狂ったように襲いかかってくるので交渉や会話は全く不可能。
夢幻の怪物(ディーナ)
頭が巨大な蛇、両腕は虎の前肢、下半身は猿で尻尾の先に毒針という異形の怪物。
下半身は猿なのに美しいガラスの靴をはいているのが不気味。
データ上はワイバーン(完全版P210参照)−飛行能力+精神攻撃無効+毒病気無効とする。

冒険の結末

怪物退治後の展開はPC次第。

生きたまま怪物の両足を切断すれば靴との魔法的結合が解けてディーナの姿に戻る。
両足を失ったディーナにリジェネレーションをかけてもいい(レベル的にコネはあるはず)。
ただし誰がその費用を出すか等は話し合いによる。
金に汚い導師は当初の依頼時に提示した金額以上は支払うつもりはない。
決して自分の責任は認めようとせず、全部ティムが悪いで押し通す。

ディーナには靴をはいて以後の記憶がないので、どう説明するかもPCの才能に任せられる。
事実を知った彼女がどう反応するかはGMの趣味で好きに決めよう。

もちろんディーナを殺すという選択肢もあり(これが最も面倒が少ない)。
殺した場合は自動的に靴が脱げ、同時にディーナも本来の姿に戻る。

ティムにどう責任を取らせるかもPC判断。
GMの趣味によっては、怪物退治から戻ると彼が首を吊って死んでいたというのもいい。

また真相をどこまで村人に話すか、という問題もある。
このへんは好きなだけgdgdすればいいので適当にやろう。
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