達成感?実プレイ?何の事です?


対応レベル:2〜4



導入

冒険者の店を訪れたPC一行は、小さな村へ手紙を届ける仕事を依頼される。
その村までは徒歩で5日ほどで、特に問題はなさそうな簡単な仕事。

老人と幼女

街を発ったPCが街道を進んでいくと、5日目に一組の旅人と出会う。
60歳前後の優しそうな老人と7〜8歳の可愛らしい幼女の2人連れ。
幼女は「おじいちゃーん」と懐いており、老人も幼女を可愛がっている。
名前を尋ねるなら老人はトム、幼女はユーリと名乗る。
老人の話によるとユーリは孫で、古い知人を頼って故郷を出たとのこと。
2人の目的地はPCが向かっている村の隣村らしいが、それ以上の事情は話そうとしない。
トム(人間、男、61歳)
一般技能:ファーマー3
温厚で善良そうな老人。ユーリを溺愛しているのが誰の目にも分かる。
ユーリ(人間?、女、7歳?)
一般技能:なし
人見知りしない天真爛漫な幼女。「おじいちゃんのことが世界で一番大好き!」らしい。

トム老人はPCを見ると微妙に挙動不審になるが、ユーリはニコニコ笑顔でPCにじゃれついてくる。
そういうわけで村の近くまではこの2人と歩調を合わせて進むことになる。
トム老人はユーリが疲れた様子を見せるとすぐに背負ってやるなど素朴な思いやりを見せる。
GMは2人の間に深い情愛と信頼関係が存在するとPLに印象付けること。

そうやってしばらく歩いていると分かれ道が見えてくる。
ここが各目的地への分岐点なので、2人とはここでお別れ。
ユーリは名残惜しそうにしつつ「お兄ちゃんたち、さようなら」とペコリと頭を下げる。
一方トム老人は「では私らはこれで」とユーリを抱え、そそくさと去っていく。

それから2時間ほど歩くとPCの目的地である村に到着する。
誰か祝い事の準備をしているようで、小さな村の割には賑わっている。
ここの村長に手紙を届ければPCの仕事は完了。
街に戻れば依頼人から約束の報酬が与えられるが、この時点で時刻は夕方近い。
というわけで一行は村長の家に泊まるよう勧められる。もちろん無料で夕食と朝食付き。
もしここで強引に帰ったらシナリオ終了なのでGMはPCに空気を読ませるように。
(トム老人らに不審を抱いて本日中に追いついた場合も事件は起こらなくなる)

お使い再び

村長宅に泊まった翌日、PCは村長からちょっとした頼み事をされる。
隣村の村長に借りていた本を自分の代わりに返して来てくれないか、と。
村人に行かせてもいいのだが、今は祝い事(村長の孫の結婚式)の準備で人手が足りないらしい。
出せる報酬は100ガメル程度だが、どうせ帰り道だし、と熱心に頼まれる。
これを断ってもシナリオ終了なのでGMはPCに空気を読ませるように。

もちろんこの隣村というのは、トム老人とユーリが向かった村
あの分岐点からは30分弱の距離らしいので、せいぜい1時間のロスにしかならない。
この頼みを引き受けるなら、報酬の100ガメルと分厚い本を受け取って隣村に出発。

虐殺事件

出発から2時間半後、PC一行は隣村に到着する。時刻は昼前。
この村では何か大変な事件が起こったらしく大騒ぎになっている。
村人に話を聞くなら、ある家に暮らす中年の夫婦が怪物に襲われて惨殺されたらしい。
領主もいないような小さな村なので村人たちはオロオロするばかり。
もしPCが本を返しに村長に会いに行くなら、神の導きだとばかりに事件の調査を依頼される。

詳しく話を聞くなら、襲われた家の生存者が呼び出される。
なんとそれは顔を真っ青にしたトム老人と、退屈そうにしたユーリ。
連れてこられた老人はPCの姿を見ると露骨に動揺挙動不審になる。
それでもユーリを別室にやると、言葉を詰まらせながら事情を話し始める。

昨日、PC一行と別れたトム老人たちは、この村の知り合いの家を訪ねた。
(殺された中年夫婦の夫の方が彼の息子の旧友らしい)
そして2人はその家の客間に泊めてもらったわけだが、夜中に突然激しい物音がした。
老人が慌てて飛び起きると、夫婦の寝室の窓を破って巨体の怪物が侵入していた。
怪物は命乞いする夫婦を惨殺し、その肉を旨そうに喰らったという。
そして2人を食い散らかすと満足したのか、再び窓を通って裏の森へと去って行った……。
トム老人は恐ろしさのあまり隠れて震えているばかりだったが、
朝になると村人たちにこの恐ろしい事態を報告したらしい。

老人の顔は激しい恐怖に引きつっていて、とても嘘をついているようには見えない。
ちなみにユーリは騒ぎに気付かず朝まで熟睡していたらしい。
ユーリは事態が理解できていないのか「おじちゃんたちどこいったの?」と不思議そうにしている。

ここで老人の語る怪物の特徴から知名度判定をするなら、達成値10以上でオーガーだと推測できる。
虐殺現場である寝室を調べるなら、血のついた巨大な足跡などもあるのでオーガー説は補強される。

事件の真相

中年夫婦を殺害し喰らったのはオーガーではなくスプリガン
そのスプリガンはメスで、幼い少女の姿に擬態している。
そう、可愛い幼女ユーリが残虐なスプリガンだったというのが真相。
ユーリ(スプリガン、女、年齢不明)
データは完全版P200参照。トムのことは便利な道具程度にしか思っていない。

トム老人には可愛い娘夫婦がいたが、彼らはある日山賊に襲われ殺されてしまった。
そんな中、娘夫婦の一人娘であるユーリだけは奇跡的に助かった。
老人はただ一人の肉親ユーリを溺愛するようになったが、そのユーリも数年前に流行り病で死んでしまった。
傷心のあまり自殺さえ考えたトム老人だったが、そんな時偶然にも孫娘と瓜二つのスプリガンと出会う。
そして彼はスプリガンに邪悪な取り引きを持ちかけた。
人間を喰わせる手助けをするから、ずっと可愛い孫娘ユーリを演じていてくれと。
そしてスプリガンは人間社会に紛れるために老人の申し出を受諾する。

以来2人は仲のいい祖父と孫娘として、3年近く食人の旅を続けていた。
これまでに食い殺した人間の数は100人を超える。
トム老人自身は虫も殺せない小心者だが、自分がこの世で最も哀れな人間だと思っており、
それを癒すためなら多少の犠牲は仕方ないと自分の行為を正当化している。

杜撰な偽装工作

PCが詳しく現場検証をするなら、不可解な点がいくつも見つかる。

まず木の窓は外側から破られたはずなのに、破片はなぜか外側に多く落ちている。
もちろんこれはユーリが夫婦を殺害した後に窓を内側から破ったため。
破片を見れば壊される前に血飛沫がかかっていたことも分かる。

また近くの森と被害者宅の間にある怪物の足跡にもミスがある。
ユーリは家→森→家という道筋を辿って往復分の足跡を偽装しているが、
何箇所かで足跡が重なっていて、家に向かう側が上に来てしまっている。

森の中でも突然足跡が消えている(発生している)など、明らかにやっつけの偽装工作。
実はPCのような「本職」が来るとは思っていなかったので手を抜いていたというのが真相。

また老人に細かい点を問い詰めた場合、言っていることがコロコロ変わる。
どう見てもその場で適当に言い繕っている雰囲気。
トムはもうこんな村にはいられないと必死に出て行こうとするが、
まだ怪物がいるかも知れないから危険だと村人たちに止められる。

ユーリはPC一行が来た偶然とトムの臆病ぶりを憎々しく思いながらも、
表面上は可愛い幼女の姿を崩さずに普段通りに過ごしている。
当面の作戦としては、PCの誰かに懐いた振りをして付きまとい、捜査状況を把握する。
(もし誰かと一対一になる状況があれば不意打ちして数減らしをする事も考えている)

やがてPCらが真犯人に気付いた時点で最終決戦に突入。

決戦

ユーリはもう正体を隠すのが限界だと悟った時点でスプリガンとしての正体を現す。
PC全員を皆殺しにするしか生き延びる道がないので説得は不可能。
仮にトム老人を人質にしても全く役に立たない。

PCとスプリガン(ユーリ)が戦闘になったら、トム老人は必死の形相で「やめてくれーっ!!」と叫ぶ。
彼は自分がどれほどユーリを必要としているかを、非常に哀れっぽい口調で訴える。
ここでPCに彼の過去を知らせよう。

トム老人はユーリを救うためPCの魔術師に飛びかかったりして援護する。
スプリガンが無力化されたら必死に命乞いをするし、もしスプリガンが死んだりした場合は彼自身もショック死する。

冒険の結末

ユーリの正体を見抜き真相に到達すればシナリオ成功とする。1000経験点
村人たちからは感謝され、それなりの額の報酬も受け取ることができる。

もしユーリの正体に気付かず迷宮入りにしたり、あえて見逃したりした場合はシナリオ失敗。500経験点
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