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戸田奈津子誤訳・珍訳集

暫定版です。少しずつ修正中。
間違いなどに気づいた方は、2ちゃんねる『戸田奈津子の字幕』スレッドまでお知らせ下さい。

なお、『戸田奈津子の字幕』スレッド、及び当Wiki内の情報が正確かどうかは保証されていません。


1.作品鑑賞を混乱させる重大な誤謬


×2ヶ月 ○2週間 『13デイズ』
1962年のいわゆる“キューバ危機”を描いた作品。そもそもタイトルが「13日間」なのに…。
×入れろ ○切れ
×切れ ○入れろ 『アポロ13』
電源回路の「開/閉」(open/close)の意味を取り違えている。
実際はclose(閉)で電流が流れ、open(開)で止まる。
映画中に数ヶ所あるこれらの台詞をすべて逆の意味に誤訳。
×デスマスク ○レクイエム(death mass) 『アマデウス』
DVDでは字幕担当が松浦美奈氏に変更、この部分は訂正されている。
原語 "First I must get the death mass, and then I ... I must achieve his death."
「まずレクイエムを手に入れて、それから彼を殺してしまう」が「まずデス・マスクを手に入れて―― 彼を殺す」 に誤訳。
デス・マスク(死面)を先に手に入れて、それからそいつを殺すなんてことが出来るのか?

2.歴史上の人物・作品名など、固有名詞の間違い


×ヌハチ ○ヌルハチ 『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』
×レメイ将軍 ○ルメイ将軍 『13デイズ』
×ドクター・ジバゴ ○ドクトル・ジバゴ 『トゥルーロマンス』
×ピーター・カーテン ○ペーター・キュルテン 『コピーキャット』
×ジョニー・ホリディ ○ジョニー・アリディ 『八日目』
×ダーハム ○ダラム 『リトル・ダンサー』
×ダインセン ○ディネーセン 『愛と哀しみの果て』
原作者名。
×マンノーウォー ○マンノウォー 『シービスケット』
競馬史に残る伝説的名馬の名。
×大天使聖マイケル ○大天使ミカエル or 聖ミカエル 『ギャング・オブ・ニューヨーク』
初期(試写会)段階のみ?
×シター弾き ○シタール弾き 『ムーラン・ルージュ』
×フィールド賞 ○フィールズ賞 『ビューティフル・マインド』
×メトリントサウルス ○メトリアカントサウルス 『ジュラシックパーク』
×YMCA ○YMHA 『ミュージック・オブ・ハート』
×バッキングハム ○バッキンガム 『レッドドラゴン』

3.作品の雰囲気・意図・演出を損なう不適当な表現、重要な台詞の改竄


×君か 『ムーラン・ルージュ』(劇場版字幕)
原語 "What's wrong?"
一緒に逃げようと言った相手が軽装でやってきて「君か」はないだろう。
×SOSを ○CQDを 『タイタニック』
日本人と同じように英語圏の観客でも無線の知識が無ければCQDは知らない。
が、監督は船舶無線史の重要な1ページとしてあえてCQDを使っている。
歴史事実に忠実に再現しようとする監督の意図が台無しに。
×また会える いつか… いつか… 『グラディエーター』
原語 "I will see you again. But not yet. Not yet."
"not yet"が「いつか」になるのか?
「いつか会える」ではなく「まだ会えない」ということがここでは重要。
×嘘をつくな ○正気に戻って 『ロード・オブ・ザ・リング』
原語 "You are not yourself."
フロドを襲う仲間のボロミアは指輪の魔力で我を失っている。『ロード〜』劇場版には他にも大量の誤訳珍訳が指摘され、ビデオ・DVDでは監修が入って訂正された。
詳細は字幕改善連絡室にあるThe Lord of the Rings 字幕改善資料を参照。
×マグルの母 ○穢れた血の母 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
×お父さん ○神よ(Father!) 『ダンス・ウィズ・ウルブス』
×恋と戦争は正しく ○恋と戦争では何でもあり 『10日間で男を上手にフル方法』
原語 "All is fair in love and war"(恋と戦争ではどんな手段でも正当化される)という全く逆の意味のことわざ。
×大尉 ○大佐(Captain) 『パイレーツ・オブ・カリビアン』
海軍と陸軍の区別がついていない。大尉から准将Commodoreに昇進したら、4階級特進になってしまう。
×曳光弾 ○照明弾 『13デイズ』
ソ連輸送船が封鎖を突破しようとしたシーンで米艦が撃った弾丸。
「照明弾」は、相手を照らし出す殺傷能力の無い弾丸。
「曳光弾」は、弾の軌跡を見るために発光剤が仕込まれた、殺傷能力のある実弾である。
×逃げ切った(直線半ばで先頭に立った馬に)
×差し切れ〜 『シービスケット』
先頭にたった自分の馬を、後続が猛烈に追い込んでくるシーンで言う。それじゃ負けになるよ…。
×あなたに惹かれていたことを ○あなたは独りじゃない 『オペラ座の怪人』
原語 "You are not alone."
解釈が観客に任されている台詞なので、直訳すべきである。
『オペラ座の怪人』には他にも多数、誤訳・珍訳が指摘されている。詳しくは映画「オペラ座の怪人」字幕改善委員会を参照。
×あり得ない 『スター・ウォーズ エピソードIII / シスの復讐』(試写段階)
原語 "Noooo!(No)"。世界観をぶち壊す訳。
そもそも、アナキンの"Nooooo!!"という叫びをわざわざ訳す必要があったのか?
※一般公開では字幕なしに。
×掃除が大変だ ○すごく野蛮だ 『スター・ウォーズ エピソードIII / シスの復讐』
原語 "So uncivilized..."。
普段は「野蛮な武器」として嫌っているブラスターで敵を倒したオビ=ワンのセリフ。
エピソードIVでオビ=ワンがライトセーバーを指して "An elegant weapon for a more civilized time."と言ったセリフに対応している。
×敬語とタメぐちをごちゃまぜにして人間関係を分からなくする 『ロード・オブ・ザ・リング』他多数
×ジュニア ○息子 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
原語では"son"。最後の方で初めて"junior"と呼ぶ大事なシーンがあるのに、字幕では"son"としか呼んでないセリフを「ジュニア」にしてしまい、そのシーンを台無しにしている。

4.数字・単位の間違い


×2ヶ月 ○2週間 『13デイズ』
1にも出したがここにも掲げておく。
×50mm機関銃 ○50口径(12.7mm)機関銃 『地獄の黙示録』
×66回の流産 ○(65年と)66年の流産 『ザ・リング』
パンフレットにまで66回と載っているが、どう頑張っても不可能だと思われる。
×4万5千ドルのソファ ○4500ドルのソファ 『アメリカンビューティ』
×M16 ○MI6 『スパイゲーム』

5.その他、観客を誤解・混乱させる不適切な意訳、誤訳


×陛下 ○殿下(highness) 『グラディエーター』
本来「シーザー(陛下)」と呼びかけるところを「殿下」と呼びかけている。
おまえなんか皇帝として認めないぞという嫌味なのだが…
×女王 ○王妃(Queen) 『ブレイブ・ハート』
皇太子妃に対する台詞「あなたはいずれQueenになるお方」。
×英国 ○イングランド 『ブレイブ・ハート』
賛否両論あり。
×ネドリーのやつ 何てバカなことを ○ネドリーでさえ 手をつけなかったのに 『ジュラシック・パーク』
原語 "Even Nedry knew better than to mess with the raptor fences."
その前の場面で、ネドリーがラプトルの檻の電源だけは切らなかったことを描いているのに、字幕ではネドリーのせいで逃げたことになっている。
×おれは ドン・ジョバンニ ○ドン・ジョヴァンニ(呼びかけ) 『アマデウス』
×死の床でミサを受けなかった者だ ○死後にミサを受けられなかった者だ 『アマデウス』
×低音で ○弱音で(piano) 『アマデウス』
×理学的、哲学的 ○形而下、形而上 『ビューティフル・マインド』
×胸 ○棺(chest) 『ハムナプトラ』
×あとでプレゼントがある ○あとでプレゼン(説明)がある 『海辺の家』
×連邦制 ○共和制(republic) 『グラディエーター』
DVDでは訂正済み。
×アンコール ○カーテンコール  『ムーランルージュ』『ギャラクシークエスト』
×ミートパイ ○ミンスパイ 『ブリジット・ジョーンズの日記』
ミンスパイはドライフルーツやナッツなどを使って作るイギリスの伝統的なお菓子。現代では肉を入れて作ることはほとんどない。
×狂人 ○怪物 『レッドドラゴン』
×ジャンパー ○セーター 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
原語の"jumper"は、『ハリー・ポッター』の舞台となっているイギリスでは「セーター」の意味。
DVDでは正しく「セーター」に修正されている。
×オレンジの香り ○オレンジブロッサム 『ギャング・オブ・ニューヨーク』
×男妾  ○主人(女主人) 『エリザベス』
原語 "I will have one mistress here and no master!"
「私が主人と呼ぶのは自分だけ。他の誰にも仕えない」(意訳)が、「私には男妾がひとり 夫は持たぬ」とまったく別の意味を持つ字幕に。
masterの女性形であるmistressの意味を完全に間違えている。
×中朝首脳会談 ○中韓首脳会談 『007/ダイ・アナザー・デイ』
原語 "South Korea and China"。
公開前試写会段階での指摘だが、公開版でも修正されず、DVDにてようやく訂正。
×勝利の兵法 ○孫子の兵法 『007/ダイ・アナザー・デイ』
×(拷問相手に向かって)いい加減 やめて ○(仲間に向かって)言っちゃだめ 『GI・ジェーン』
原語 "Don't do it don't"
仲間に対して「情報を言っては(吐いては)いけない」というセリフなのに、「いい加減 やめて」では意味が通じない。
×困難ぐらい ○困難どころでは 『M:I-2』
原語 "This is not Mission: Difficult, it's Mission: Impossible."
「不可能な任務だ。困難ぐらい、なんだ!」ではなく、「困難どころではない、これは不可能な任務だ!」の意。
×私の贈り物!お前は私のもの! ○お前はまだ私につながれた身だ! 『オペラ座の怪人』
原語 "Your chains are still mine! You belong to me!"
×僕を裏切らないで ○君が彼を愛していると言うなら、僕は死んだも同然だ! 『オペラ座の怪人』
原語 "Say you love him, and my life is over!"
命乞いしてるように見えるが、曲全体を通してもそんな台詞はない。むしろ戦っている。
×キリル語 ○キリル文字 『ハンティング・パーティ』
「キリル文字」とはロシア語など複数の言語で使われている文字のこと。あくまでも文字の名称であり、「キリル語」という言語は存在しない。

6.珍訳(超弩級誤訳+日本語の常識を外れた戸田奈津子独自の言い回し)


×ボランティア軍  ○義勇軍
×ローカルの星人 ○原住民 『スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス』
どちらも正しい訳の方が文字数が半分以下になる。
字幕翻訳の特殊性を訴えるためによく引き合いに出す「字幕の字数制限」はいったい…。
×ネビュラ星雲 ○クラートゥ星雲 『ギャラクシー・クエスト』
ネビュラ(nebula)が星雲という意味なので、これでは「星雲星雲」になってしまう。
×ヘリコプター ○チョッパー(バイク) 『パルプ・フィクション』(試写段階)
×宇宙時間 ○時空(space-time) 『A.I.』
×プッシー知らず!(Cherry boy!) 『地獄の黙示録 特別完全版』
普通に「童貞」ではダメだったのか…?
×黒のチンポ吸い(Black cocksucker) 『ドゥ・ザ・ライト・シング』
×吹いてあげる ○フェラしてあげる 『7月4日に生まれて』
原語 "blow job"。俗語で「フェラチオ」「クンニリングス」のこと。
「吸う」ならまだしも、普通はどちらも「吹く」とは言わない。
×パン粉がついてる ○パンくずがついている 『ザ・コンテンダー』
×勉強 ○研究/講義 『ビューティフル・マインド』
原語 "study"。主人公ナッシュは小学生や中学生ではなく、「研究者」です…
×(我らは銃士、)結束は固い ○一人は皆のために、皆は一人のために 『仮面の男』『ヤング・ブラッド』
原語 "One for All, All for One"
×熱像記録(サマラが念写したレントゲン写真) 『ザ・リング』
×鳥ではなくウサギを ○鳥ではなくチーズトーストを 『ゴスフォード・パーク』
ベジタリアンの台詞。本当はWelsh Rarebitというチーズトーストの一種。"rarebit"と"rabbit"を間違えたと思われる。
×ジャバ・ザ・ハット族 ○ハット族or○ジャバ 『スター・ウォーズ エピソードII/クローンの逆襲』
×頭上の空間 ○(ライフルの)ヘッドスペース 『プライベートライアン』
head space=ライフルのボルトの先端と弾薬の底の間隔。
×上のデッキに行け ○下のデッキに行け 『ギャラクシークエスト』
×緊急ベル ○緊急ブロー 『レッドオクトーバーを追え!』
「緊急ブロー」とは潜水艦内の水を出してしまい、急速に浮上させること。「緊急ベル」では全然意味が違う。
×壁スクリーン ○壁に映せ、再生(wall screen) 『マイノリティ・リポート』
×始まるぞ! ○ジーザス! 主よ!(Jesus!) 『ギャング・オブ・ニューヨーク』
×鼻を突っ込むな ○首を突っ込むな 『ザ・リング』
日本語では「首を突っ込む」が普通であり、「鼻を突っ込む」は変。英語では同じような意味で「鼻を突っ込む」という言い回しがあるので、直訳してしまったのか?(未確認)
×たてたてのコーヒー ○いれたてのコーヒー 『フォーチュン・クッキー』
Googleでもこの言い回しがちょっぴり見つかるが、映画字幕としては難あり。
×情熱のプレイ ○(△)受難劇(passion play) 『オペラ座の怪人』
×北極大陸を ○この土地を 『ナショナル・トレジャー』
「北極大陸」などというものは地球上に存在しません。
×「…を?」「…ので?」「…など!」「…せにゃ」「…かもだ」「…かもだぜ」「おっ死ね!」「ファック野郎」「コトだ」
あらゆる作品に出現。使わないどころか聞いたこともない言葉がほとんど。

番外


リチャード・ギア来日会見にて。

Q.記者「老いてもカッコいい男であり続ける秘訣を」
A.ギア "What's cool is just to be yourself. That's actually the coolest thing you can do."
戸田訳人間自身がクールな人が一番クール
訳案「ありのままの自分であるということが結局は一番カッコいいのだ」(過去スレより)

ヒュー・グラント来日会見より(ラブ・アクチュアリー)。

「自分の俳優としての魅力はなんだと思いますか?」という質問なのに、"What is your strong point?" なんて訳すもんだから、「役を選ぶのがうまい」というトンチンカンな答えになってるし。

質問「今まで(映画の中では)いつも恋人はアメリカ人でしたが、日本女性はお嫌いですか?」
ヒュー "I certainly have no particular preference for American girls, and I do have very soft spot for Japanese girls."
戸田「私自身はですねー、別にアメリカの女性が特に好きというわけではございませんし、日本の女性に非常にソフトスポット、柔らかい傷つきやすいと言いますか、えー、弱い部分を持っておりまして大好きでございます。日本女性は私は好きです」
司会「ソフトで傷つきやすい。日本女性が」
戸田(司会をさえぎりながら)「そう、ソフトスポットね。いや、自分の中にソフトスポットがあるのよ。弱いのよ。日本女性に弱い。はいはい
司会「よわい。はぁ、そうですね、やっぱり(よく分かってない様子)」
"have a soft spot for"は単に「大好きだ」でいいと思うんだけど…。

「マトリックス・レボリューションズ」、歌舞伎町での舞台挨拶にて。

ステージにはキアヌと並んで雨合羽を着込んだ戸田奈津子が!
「監督兄弟は日本のアニメが大変好きで、最近では Hayao MiyazakiのSpirited Awayなど…」という英語スピーチを、すかざず戸田先生が同時通訳!
「えー監督は宮崎兄弟の、えー、スピリティッド・アウェイが…」

「Shall we dance ?」、監督&リチャードギア来日記者会見にて。

なっち通訳録
マジカルなモーメント
「それからまあ、日本語と違って英語版、アメリカ版のこれで、日本の場合によりもう少しフォーカスが深いのは、いわゆるあの、結婚というものですね。結婚というテーマをフル、もっとフルに、あの、リッチに、そしてまたフォーカスに、こう焦点を当てて、語るというのが、まあ我々版の、アメリカ版のひとつの、えー、違いではあります」
「一番難しい演技はシンプル。シンプルというのは下に深いということ

『週刊新潮』2005年5月5・12日号記事『また「誤訳騒ぎ」だよ「字幕の女王」戸田奈津子』より。

あら、そう、知らなかったわ。初めて聞きました。でも、そもそも映画の翻訳というのは字数やいろんな制約があって、そのまま直訳しても文章にならないし、意味が通じないの。だから、やっぱりある程度の意訳は必要なのよ。それぞれの意見はあるでしょうけど、私たちのような、ものを書く仕事はあっち立てればこっち立たずで、意見が合うことはなかなかないですから」
2009年08月05日(水) 01:27:42 Modified by todanatsuko_jimaku