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yosi88yosi 2010年01月13日(水) 21:24:36
(2010/1/1)
NHK神奈川のニュース
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2010年1月1日 放送
相模原市 政令市移行に課題も
ことし4月に政令指定都市に移行する相模原市は、県から様々な権限が移譲される一方で、これまでの県の事業による多額の借金も引き継がれることから、移行後の財政運営が大きな課題となる見通しです。
相模原市は、周辺の4つの町と合併して人口が71万余りとなり、ことし4月1日から全国で19番目、県内では横浜・川崎に次いで3番目の政令指定都市に移行します。
市内には、3つの区が設けられ、現在の市の出張所などを区役所に改修する工事が進められています。移行に伴って、相模原市には様々な権限が県から移譲され、児童相談所の運営や学校へのカウンセラーの派遣、さらにNPO法人の認可なども市が独自に行うことができるようになります。
その一方で、これまで県が市内で行った道路整備事業の借金、およそ250億円が引き継がれるほか、県から移譲される県道や国道の管理の業務などに初年度の平成22年度はおよそ170億円が必要となります。
政令指定都市への移行で、国や県からは、石油ガス贈与税や宝くじの収益金などの財源が移されますが、初年度はおよそ80億円の不足が生じる見通しで、市は厳しい財政運営を迫られます。
http://74.125.153.132/search?q=cache:aUBEi-4RskcJ:...
2009/12/25(Fri)
「市町村合併で豊かになる」という幻想
JAPANN BUSINESS PRESS誌に、2009.11.18に 元佐賀市長 木下敏之氏が、下記記事を掲載している。
相模原市が政令市になることにも言及しながら、市町村合併の弊害について論じている。
・・・「市町村合併で豊かになる」という幻想・・・
先日、ある週刊誌で相模原市が政令市になることが酷評されていました。何のための合併なのか、合併する意味がないのではないか、というのです。
私も同感で、「人口70万人以上」という規定をクリアーするために、なりふり構わず合併を進めたのだと思います。具体的な成長戦略があるとは感じられません。
「平成の大合併」がほぼ一段落しましたが、人口が増えるとそれだけで豊かになると感じている人が相変わらず多いようです。今回は、市町村合併についてお話しします。
1、地方でどんどん大きくなる市町村
明治維新の後、これまで3度、大きな市町村合併がありました。最初は1889年の「明治の大合併」です。次が1960年頃までに行われた「昭和の大合併」、そして最後が2010年に終える予定の「平成の大合併」です。
明治の大合併の前の一自治体の平均規模は約500名でした。以下の表の通り、約120年かけて自治体の規模が約500人から約7万3000人まで拡大してきています。
それぞれ小学校を持つためとか、中学校を持つためとかいろいろな理由がありましたが、平成の大合併も政府主導で、理由としては、行政能力の拡充とか、行財政改革とか、住民の生活圏を拡大するといったことが挙げられていました。
全国的にはとても大きな制度変更だったのですが、なかなか首都圏の人たちにはこの市町村合併がピンときません。
それもそのはずです。首都圏では市町村の財政が豊かなので、あまり合併が進まなかったからです。
東京都に至っては、田無市と保谷市が合併してできた西東京市だけでした。以下の表の通り、合併の状況は、市町村の財政力などによって大きく左右されたのです。
2、その前にやるべきことがたくさんあるはず
「合併したら議員を減らせるからいいじゃないか」と思われる方もいると思いますが、企業の経営改革と比べてみてください。経営が悪いからといって、すぐに他社と合併する会社があるでしょうか?
財政難に対応することは必要ですが、いきなり合併というのは全く理由がないのです。組織の経営を知らない総務省の役人の机上の発想です。
企業なら経営が厳しい時は、まず自助努力です。人員削減やコストダウンの努力をギリギリまでします。同時に、他の会社と提携や事業の共同化を模索します。
そして、それでもうまくいかない時は、製造が強くて営業が弱い会社と、営業が強くて製造が弱い会社が合併したり、販売テリトリーがお互いに違う会社同士が合併してコスト競争力を高める、という選択肢もあります。いずれにしろ、組織統合は、ある程度改革をやってからの選択肢です。
ところが自治体の場合には、人員削減もコストダウンも不十分なままでした。高いと言われる公務員の給料は削減されているわけではありませんでしたし、他の自治体と事業の共同化を徹底的に行うということもしないままに合併を進めたのです。
例えば、全国の市役所の基幹コンピューターシステムはほとんど同じ機能を持つものですが、各自治体がばらばらに発注して、共同利用することは今もほとんどありません。多くの自治体の合併は、非効率な組織を温存したままの合併でした。
また、合併によって職員が大幅に余りました。そしてその過剰な人員は、定年退職者の自然減で対応することが多く、すぐには効果が見込めないのです。
逆に、駆け込みで職員を採用するとか、駆け込みでハコモノ建設を行うという自治体も相次ぎました。西東京市では市長と議員の給料が合併に伴って上がったのです。
3、住民の声が行政に届かなくなるという問題
逆に、市町村合併には目に見えない大きな問題点があります。それは、規模が大きくなることによって、ただでさえ行政に届きにくい住民の声が、ますます届きにくくなることです。
私は横浜という巨大都市に住んでいますが、東京23区のような区の権限がほとんどないので、住民の声が非常に市役所に届きにくいと感じています。
「自治」と言う以上は、自分たちの身の回りのことはできるだけ自分たちで決められるのが基本ですが、自治体のサイズが大きくなると住民の声が届かなくなるし、身近なことも何も決められず自治意識は低下していくのです。
この点で、2年前に地方自治の調査に行ったフランスでの経験は、目からウロコでした。フランスでは市の平均規模が1500人程度で、教会か、お城を中心としてコンパクトに都市を形成していました。
私が訪問した人口1100人の市も、都市計画や開発計画などは自分たちで決めていました。乱開発は規制し、16世紀から続く美しい町並みを守りながら観光開発をしていく工夫をしていました。自分たちの町の伝統を守っていくことに強い誇りを持っているのです。
もちろん、すべてなんでも自前でやっているわけではありません。道路整備など共同で行った方が効率的なものは、周辺の8つの自治体と共同して行っていました。
(以下略)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
週刊ダイヤモンド記事
http://diamond.jp/series/inside/09_11_13_001/
ホーム > 経済・時事 > inside
週刊ダイヤモンド編集部
【第385回】 2009年11月05日
「相模原市」が政令指定都市昇格!? 無理な合併で問われる政令市の意義
この10月末、神奈川県相模原市が来春、政令指定都市に昇格することが閣議決定された。しかし、同市の政令市昇格に首を傾げる向きは少なくない。
相模原市は東を東京都のベッドタウンである八王子市や町田市と接し、北は多摩ニュータウン、東は小田急小田原線の延長として広がっていった住宅地。政令市のイメージとはかけ離れている。
そもそも政令市とは、日本における大都市を意味したはずであり、制度の目的も大都市の育成にあった。対象は歴史があり、街の顔となるシンボルがあり、人が集まる磁力がある都市であり、明文化はされていないが「将来、人口が100万人を超える見込みがある」というハードルもある(法律上の要件は50万人以上)。相模原市には、そのどれもない。
では、なにゆえに政令市として認められたのか。じつは、平成の大合併を促すために、合併市に限って人口要件が80万人→70万人に緩和されているからだ。相模原市の人口は71万2318人(10月1日現在)で、ぎりぎりこの基準をクリアしている。
しかも、政令市昇格のために合併した旧津久井郡は山梨県と境を接する山間地帯。合併によって、まったく非効率な山間地の行政サービスを抱え込んでしまうことになる。住民にとっては自治体のサイズが大きくなりすぎて、声が届きにくくなる。
さらに、相模原市に本拠を置くトヨタ自動車の生産子会社、セントラル自動車の宮城移転が来年秋に控えている。本社の社員と家族だけで4000人が転出すると見られており、ギリギリ超えた人口要件も、じつは現状維持が精一杯なのだ。
同市の政令指定都市ビジョンのサブタイトルは「首都圏南西部の活力ある広域交流拠点都市をめざして」。その目玉となるのがリニア中央新幹線の駅誘致だというから洒落にならない。
巨額の借金を背負ってまで政令市に昇格する必要がはたしてあったのか。政令市への昇格が住民のためになるのか。「政令市のブランドが欲しかっただけ、それしか考えられない」(元首長)というのでは、明らかにおかしい。政令市の意義が問われている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 千野信浩)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
市民季刊誌アゴラ45号に“相模原市の政令市問題”として 掲載された
関山泰雄氏 (元神奈川県企業庁長) 地域政策研究所長 の抜粋。
相模原市HP市民電子会議室
"政令指定都市について語ろう!「自主・自立のまちづくり」をめざして"
の投稿記事から、転載。
投稿日時 2008/08/02
市民季刊誌アゴラ45号に“相模原市の政令市問題”として 掲載された
関山泰雄氏 (元神奈川県企業庁長) 地域政策研究所長
の 講演内容は、相模原市の政令市移行の是非の判断に 有用と考える。
以下に 政令市移行是非の判断に重要と思われる部分を中心に、要約した。(文責 朱夏)
市長・市当局・市議・市民の皆様が、政令市移行につき考える際の判断資料 として頂きたい。
相模原市の政令市問題・・・市の「格」よりも 市民生活への配慮を
1、政令市の沿革
2、期限付きの政令市許可は 合併のアメ
3、中核市との違い
4、政令市のメリット
委譲業務で、県の判断・承認が不要になる。国から直接 通知・命令が来る。
(しかし、市民生活には、何の意味もない。)
5、道路にかかわる支出は膨大
国道・主要地方道・一般県道の維持管理 〜98億円?
他 特に 圏央道等の建設負担(1/3が 県から政令市負担に)・・・市の資料に記載なし。
6、収入は大きく支出は小さく ― 市の試算
政令市移行での 収入・支出、市の試算は 大アマ。
収入 (市の試算) 〜110億円 (県の試算) 〜55億円。
支出 (市の試算) 114億円 (関山氏の試算*) 追加 60億円以上が必要。
* 職員人件費増 (委譲業務)15億円、(区役所関係)45億円、 追加計 60億円。
さらに他にも、区保健所・信用保証協会・衛生研究所・工業試験所の 建設維持費用。
(さらにさらに、新庁舎建設費用 朱夏 追記)。
7、大きくのしかかる県道の返済金
津久井合併で、相模原市の県道は、旧相模原市の3倍になった。
県道関連の県債 (過去10年分県)1330億円、 (+利子) 1640億円。
先行政令市の(過去7年分負担で)〜1100億円、 (20年返済で) 年 58億円。
5〜7から、最小でも 新財源が、年 130億円 必要。
(H19年 相模原市の支出 約2000億円、1000億円は 人件費・福祉費・公債費など)
→ 市財政に 深刻な影響あり。
他の懸念・・・小中教職員給与 100億円
国の地方制度調査会では、県負担から政令市負担にとの議論が 有力。
その場合は、さらに 100億円の 歳出増。
8、増収のためには増税以外にない
増収の方法
・津久井3町の線引きによる、固定資産税の増税。
・固定資産税の制限税率適用(2割増)、 〜80億円 増税。
・新たな目的税。
市当局は、津久井合併で 住民の暮らしは便利になるといったが、税負担増には言及しなかった。
政令市移行でも 税負担増に言及していないが、税負担増なしでは 市がやっていける筈がない。
9、考え方の変換も必要では
先行政令市は、財政で苦慮。
千葉市では、財政再建団体への転落を懸念して、政令市返上論が出ている。
一方で
八王子市は、(人口50万人)「市民の負担を増やしてまで中核市になる必要なし」。
藤沢市は、「市民の負担が増えるばかりで意味がない」として 特例市にならず。
現状 セントラル自動車 撤退、カルピス・日本冶金工業 撤退決定。
政令市を理由に、相模原市に進出する企業はなし。
→ 市の税収減。
結論
相模原市には、政令市になる実力がない。
相模原市が 政令市になることは、非常に危険。
NHK神奈川のニュース
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2010年1月1日 放送
相模原市 政令市移行に課題も
ことし4月に政令指定都市に移行する相模原市は、県から様々な権限が移譲される一方で、これまでの県の事業による多額の借金も引き継がれることから、移行後の財政運営が大きな課題となる見通しです。
相模原市は、周辺の4つの町と合併して人口が71万余りとなり、ことし4月1日から全国で19番目、県内では横浜・川崎に次いで3番目の政令指定都市に移行します。
市内には、3つの区が設けられ、現在の市の出張所などを区役所に改修する工事が進められています。移行に伴って、相模原市には様々な権限が県から移譲され、児童相談所の運営や学校へのカウンセラーの派遣、さらにNPO法人の認可なども市が独自に行うことができるようになります。
その一方で、これまで県が市内で行った道路整備事業の借金、およそ250億円が引き継がれるほか、県から移譲される県道や国道の管理の業務などに初年度の平成22年度はおよそ170億円が必要となります。
政令指定都市への移行で、国や県からは、石油ガス贈与税や宝くじの収益金などの財源が移されますが、初年度はおよそ80億円の不足が生じる見通しで、市は厳しい財政運営を迫られます。
http://74.125.153.132/search?q=cache:aUBEi-4RskcJ:...
2009/12/25(Fri)
「市町村合併で豊かになる」という幻想
JAPANN BUSINESS PRESS誌に、2009.11.18に 元佐賀市長 木下敏之氏が、下記記事を掲載している。
相模原市が政令市になることにも言及しながら、市町村合併の弊害について論じている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2173
・・・「市町村合併で豊かになる」という幻想・・・
先日、ある週刊誌で相模原市が政令市になることが酷評されていました。何のための合併なのか、合併する意味がないのではないか、というのです。
私も同感で、「人口70万人以上」という規定をクリアーするために、なりふり構わず合併を進めたのだと思います。具体的な成長戦略があるとは感じられません。
「平成の大合併」がほぼ一段落しましたが、人口が増えるとそれだけで豊かになると感じている人が相変わらず多いようです。今回は、市町村合併についてお話しします。
1、地方でどんどん大きくなる市町村
明治維新の後、これまで3度、大きな市町村合併がありました。最初は1889年の「明治の大合併」です。次が1960年頃までに行われた「昭和の大合併」、そして最後が2010年に終える予定の「平成の大合併」です。
明治の大合併の前の一自治体の平均規模は約500名でした。以下の表の通り、約120年かけて自治体の規模が約500人から約7万3000人まで拡大してきています。
それぞれ小学校を持つためとか、中学校を持つためとかいろいろな理由がありましたが、平成の大合併も政府主導で、理由としては、行政能力の拡充とか、行財政改革とか、住民の生活圏を拡大するといったことが挙げられていました。
全国的にはとても大きな制度変更だったのですが、なかなか首都圏の人たちにはこの市町村合併がピンときません。
それもそのはずです。首都圏では市町村の財政が豊かなので、あまり合併が進まなかったからです。
東京都に至っては、田無市と保谷市が合併してできた西東京市だけでした。以下の表の通り、合併の状況は、市町村の財政力などによって大きく左右されたのです。
2、その前にやるべきことがたくさんあるはず
「合併したら議員を減らせるからいいじゃないか」と思われる方もいると思いますが、企業の経営改革と比べてみてください。経営が悪いからといって、すぐに他社と合併する会社があるでしょうか?
財政難に対応することは必要ですが、いきなり合併というのは全く理由がないのです。組織の経営を知らない総務省の役人の机上の発想です。
企業なら経営が厳しい時は、まず自助努力です。人員削減やコストダウンの努力をギリギリまでします。同時に、他の会社と提携や事業の共同化を模索します。
そして、それでもうまくいかない時は、製造が強くて営業が弱い会社と、営業が強くて製造が弱い会社が合併したり、販売テリトリーがお互いに違う会社同士が合併してコスト競争力を高める、という選択肢もあります。いずれにしろ、組織統合は、ある程度改革をやってからの選択肢です。
ところが自治体の場合には、人員削減もコストダウンも不十分なままでした。高いと言われる公務員の給料は削減されているわけではありませんでしたし、他の自治体と事業の共同化を徹底的に行うということもしないままに合併を進めたのです。
例えば、全国の市役所の基幹コンピューターシステムはほとんど同じ機能を持つものですが、各自治体がばらばらに発注して、共同利用することは今もほとんどありません。多くの自治体の合併は、非効率な組織を温存したままの合併でした。
また、合併によって職員が大幅に余りました。そしてその過剰な人員は、定年退職者の自然減で対応することが多く、すぐには効果が見込めないのです。
逆に、駆け込みで職員を採用するとか、駆け込みでハコモノ建設を行うという自治体も相次ぎました。西東京市では市長と議員の給料が合併に伴って上がったのです。
3、住民の声が行政に届かなくなるという問題
逆に、市町村合併には目に見えない大きな問題点があります。それは、規模が大きくなることによって、ただでさえ行政に届きにくい住民の声が、ますます届きにくくなることです。
私は横浜という巨大都市に住んでいますが、東京23区のような区の権限がほとんどないので、住民の声が非常に市役所に届きにくいと感じています。
「自治」と言う以上は、自分たちの身の回りのことはできるだけ自分たちで決められるのが基本ですが、自治体のサイズが大きくなると住民の声が届かなくなるし、身近なことも何も決められず自治意識は低下していくのです。
この点で、2年前に地方自治の調査に行ったフランスでの経験は、目からウロコでした。フランスでは市の平均規模が1500人程度で、教会か、お城を中心としてコンパクトに都市を形成していました。
私が訪問した人口1100人の市も、都市計画や開発計画などは自分たちで決めていました。乱開発は規制し、16世紀から続く美しい町並みを守りながら観光開発をしていく工夫をしていました。自分たちの町の伝統を守っていくことに強い誇りを持っているのです。
もちろん、すべてなんでも自前でやっているわけではありません。道路整備など共同で行った方が効率的なものは、周辺の8つの自治体と共同して行っていました。
(以下略)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
週刊ダイヤモンド記事
http://diamond.jp/series/inside/09_11_13_001/
ホーム > 経済・時事 > inside
週刊ダイヤモンド編集部
【第385回】 2009年11月05日
「相模原市」が政令指定都市昇格!? 無理な合併で問われる政令市の意義
この10月末、神奈川県相模原市が来春、政令指定都市に昇格することが閣議決定された。しかし、同市の政令市昇格に首を傾げる向きは少なくない。
相模原市は東を東京都のベッドタウンである八王子市や町田市と接し、北は多摩ニュータウン、東は小田急小田原線の延長として広がっていった住宅地。政令市のイメージとはかけ離れている。
そもそも政令市とは、日本における大都市を意味したはずであり、制度の目的も大都市の育成にあった。対象は歴史があり、街の顔となるシンボルがあり、人が集まる磁力がある都市であり、明文化はされていないが「将来、人口が100万人を超える見込みがある」というハードルもある(法律上の要件は50万人以上)。相模原市には、そのどれもない。
では、なにゆえに政令市として認められたのか。じつは、平成の大合併を促すために、合併市に限って人口要件が80万人→70万人に緩和されているからだ。相模原市の人口は71万2318人(10月1日現在)で、ぎりぎりこの基準をクリアしている。
相模原市の政令市昇格への執念は相当なものだった。10年前には隣接の町田市と県境を超えた合併を模索するも立ち消えになり、今回は相模湖周辺の旧津久井郡4町と強引に合併することで70万人の要件を満たし、政令市昇格を勝ち取った。 だが、ある首長経験者は「理解できないことばかり」と解説する。背負った借金、行政効率の悪化などのデメリットを勘案すれば、政令市になる意味など見いだせないからだ。政令市は県並みの権能を持った自治体に昇格することを意味する。その代わりに、負担も県並みだ。国道県道などの管理権や税源が委譲される一方で負担金も付いてくる。政令市昇格によって差し引きでは230億円を超える支出超過となり、市はその分を貯蓄の取り崩しと市債発行(つまり借金)でまかなう予定だという。
しかも、政令市昇格のために合併した旧津久井郡は山梨県と境を接する山間地帯。合併によって、まったく非効率な山間地の行政サービスを抱え込んでしまうことになる。住民にとっては自治体のサイズが大きくなりすぎて、声が届きにくくなる。
さらに、相模原市に本拠を置くトヨタ自動車の生産子会社、セントラル自動車の宮城移転が来年秋に控えている。本社の社員と家族だけで4000人が転出すると見られており、ギリギリ超えた人口要件も、じつは現状維持が精一杯なのだ。
同市の政令指定都市ビジョンのサブタイトルは「首都圏南西部の活力ある広域交流拠点都市をめざして」。その目玉となるのがリニア中央新幹線の駅誘致だというから洒落にならない。
巨額の借金を背負ってまで政令市に昇格する必要がはたしてあったのか。政令市への昇格が住民のためになるのか。「政令市のブランドが欲しかっただけ、それしか考えられない」(元首長)というのでは、明らかにおかしい。政令市の意義が問われている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 千野信浩)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
市民季刊誌アゴラ45号に“相模原市の政令市問題”として 掲載された
関山泰雄氏 (元神奈川県企業庁長) 地域政策研究所長 の抜粋。
相模原市HP市民電子会議室
"政令指定都市について語ろう!「自主・自立のまちづくり」をめざして"
の投稿記事から、転載。
投稿日時 2008/08/02
相模原市の政令市問題(市民季刊誌アゴラより)
市民季刊誌アゴラ45号に“相模原市の政令市問題”として 掲載された
関山泰雄氏 (元神奈川県企業庁長) 地域政策研究所長
の 講演内容は、相模原市の政令市移行の是非の判断に 有用と考える。
以下に 政令市移行是非の判断に重要と思われる部分を中心に、要約した。(文責 朱夏)
市長・市当局・市議・市民の皆様が、政令市移行につき考える際の判断資料 として頂きたい。
相模原市の政令市問題・・・市の「格」よりも 市民生活への配慮を
1、政令市の沿革
2、期限付きの政令市許可は 合併のアメ
3、中核市との違い
4、政令市のメリット
委譲業務で、県の判断・承認が不要になる。国から直接 通知・命令が来る。
(しかし、市民生活には、何の意味もない。)
5、道路にかかわる支出は膨大
国道・主要地方道・一般県道の維持管理 〜98億円?
他 特に 圏央道等の建設負担(1/3が 県から政令市負担に)・・・市の資料に記載なし。
6、収入は大きく支出は小さく ― 市の試算
政令市移行での 収入・支出、市の試算は 大アマ。
収入 (市の試算) 〜110億円 (県の試算) 〜55億円。
支出 (市の試算) 114億円 (関山氏の試算*) 追加 60億円以上が必要。
* 職員人件費増 (委譲業務)15億円、(区役所関係)45億円、 追加計 60億円。
さらに他にも、区保健所・信用保証協会・衛生研究所・工業試験所の 建設維持費用。
(さらにさらに、新庁舎建設費用 朱夏 追記)。
7、大きくのしかかる県道の返済金
津久井合併で、相模原市の県道は、旧相模原市の3倍になった。
県道関連の県債 (過去10年分県)1330億円、 (+利子) 1640億円。
先行政令市の(過去7年分負担で)〜1100億円、 (20年返済で) 年 58億円。
5〜7から、最小でも 新財源が、年 130億円 必要。
(H19年 相模原市の支出 約2000億円、1000億円は 人件費・福祉費・公債費など)
→ 市財政に 深刻な影響あり。
他の懸念・・・小中教職員給与 100億円
国の地方制度調査会では、県負担から政令市負担にとの議論が 有力。
その場合は、さらに 100億円の 歳出増。
8、増収のためには増税以外にない
増収の方法
・津久井3町の線引きによる、固定資産税の増税。
・固定資産税の制限税率適用(2割増)、 〜80億円 増税。
・新たな目的税。
市当局は、津久井合併で 住民の暮らしは便利になるといったが、税負担増には言及しなかった。
政令市移行でも 税負担増に言及していないが、税負担増なしでは 市がやっていける筈がない。
9、考え方の変換も必要では
先行政令市は、財政で苦慮。
千葉市では、財政再建団体への転落を懸念して、政令市返上論が出ている。
一方で
八王子市は、(人口50万人)「市民の負担を増やしてまで中核市になる必要なし」。
藤沢市は、「市民の負担が増えるばかりで意味がない」として 特例市にならず。
現状 セントラル自動車 撤退、カルピス・日本冶金工業 撤退決定。
政令市を理由に、相模原市に進出する企業はなし。
→ 市の税収減。
結論
相模原市には、政令市になる実力がない。
相模原市が 政令市になることは、非常に危険。
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