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rglc85tj8h 2009年04月26日(日) 06:30:40
▼1番艦「蘭州」(170)


▼2番艦「海口」(171)


▼382型多機能フェーズド・アレイ・レーダー(かまぼこ状の部分は只のカバーで、中のレーダーアンテナは板状)

▼YJ-62(C-602)対艦ミサイルの4連装ランチャー。中国製SSMには珍しい円筒型である。後方には726-4型18連装デゴイ発射機が見える。

■性能緒元
| 満載排水量 | 6,500〜7,000t |
| 全長 | 154.0m |
| 全幅 | 17.0m |
| 主機 | CODOG 2軸 |
| DA-80/DN-80ガスタービン 2基(48,600馬力) | |
| MTUディーゼル 2基(8,840馬力) | |
| 速力 | 29kts |
| 航続距離 | 4,500nm/15kts |
| 乗員 | 280名 |
【兵装】
| 対空ミサイル | HHQ-9A艦対空ミサイル(海紅旗9A) / VLS(6セル) | 8基 |
| 対艦ミサイル | YJ-62(鷹撃62/C-602)/ 4連装発射筒 | 2基 |
| 魚雷 | YU-7 324mm短魚雷 / 3連装発射管 | 2基 |
| 砲 | T-100C 55口径100mm単装砲 | 1基 |
| 近接防御 | 730型30mmCIWS | 2基 |
| 搭載機 | Z-9C対潜ヘリコプター | 1機 |
【電子兵装】
| 3次元対空レーダー | 382型 | 4基 | |
| 対空レーダー | 346型Xバンド対空/対水上捜索レーダー | 1基 | |
| 2次元対空レーダー | 517H型(Knife Rest) | 1基 | |
| 火器管制レーダー | MR-331(Band Stand) | SSM&砲用 | 1基 |
| 344型(MR-34) | SSM/砲用 | 1基 | |
| 327G型(EFR-1/Rice Lamp) | CIWS用 | 2基 | |
| チャフ/フレア発射装置 | 726-4型18連装デゴイ発射機 | 4基 | |
2004年に1番艦が就役した中国最新鋭のミサイル駆逐艦で、中国初の本格的長距離エリア防空艦である。本級には052C型防空駆逐艦のタイプ名が付与された。NATOコード名は旅洋(LU-YANG)II型である。建造されたのは052B型駆逐艦(ルヤンI型/旅洋I型)と同じく上海の江南造船廠。
最大の特徴は艦橋構造物の四周にフェーズド・アレイ方式多機能レーダーが装備している事で、その外観から「中国版イージス艦」と呼ばれる。このレーダーの開発に当たってはウクライナの企業が協力したと言われており、先頃まで970型試験艦でテストが実施されていた。恐らくレーダー自体は西側の多機能アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーと似たような探知距離(200km前後)と同時目標追跡(200〜300目標)の能力を持つと思われる。しかし米海軍のイージス・システムの肝は対空戦から対潜戦までのあらゆる戦闘において、自動的に脅威度を判定して自艦のみならずデータ・リンクを通じて僚艦を含めた最適の攻撃方法を下す統合戦闘システム全体であり、中国海軍がそこまでのシステムを構築しているとは考え難い。
HHQ-9A艦対空ミサイル(海紅旗9A)対空ミサイルは国産開発の長距離SAMシステムで、中国海軍初の垂直発射型SAMである。中国は湾岸戦争(1991年)での米軍による激しい空爆などの戦闘状況から自国の防空システムの限界を認識し、新しい防空ミサイルシステムの開発に着手した。この結果生まれたHQ-9はロシアから購入したS-300P(SA-N-6 Grumble)及びアメリカのパトリオットの技術を参考にしたと言われている。HHQ-9Aは、HQ-9をベースに対艦ミサイル迎撃能力の向上などの改良を加えたミサイルである。全長6.8m、ミサイル重量1,300kg、弾頭重量180kg、射程6〜120km、射高25(50mとの説もある)〜30,000m、最大速度マッハ6。HHQ-9A用のVLSは発射セル6基を円形に配置して組み合わせた形になっており、前甲板に6基、後部のヘリコプター格納庫の艦首側に2基装備している。このミサイルはセル下部から高圧ガスで打ち出され高度18〜20mに達した後ロケット・モーターに点火する、コールドガス発射方式を採用している。コールドガス発射方式はロシアやフランスで採用されているもので、利点としてロケット・モーターの点火が発射機外で行われるため船体側が安全であるほか、発射機内でのブラストの処理を行う必要がないという事だ。その結果VLSの構造が簡単で軽量になる。
052C型は、新開発のYJ-62艦対艦ミサイル(鷹撃62/C-602)4連装発射機を2基をヘリコプター格納庫直前に搭載している。YJ-62は、全長6.1m(ブースター付7.0m)、重量1,140kg(ブースター付1,350kg)、弾頭重量300kg(HE)。推進装置はターボファンもしくはターボジェット。最大速度はマッハ0.9、射程280km。巡航飛行時の飛行高度は30m、攻撃時には探知を避けるため高度7mの低空飛行を行う。誘導方式はGPS+慣性誘導方式で終末誘導にはアクティブ・レーダー誘導方式が採用されている。YJ−62は、これまでの中国の対艦ミサイルが角型ランチャーを採用していたのとは異なり、円筒形発射機に搭載されている。ミサイルの誘導は、艦橋のレドームに収納されたMR-331(Band Stand)によって行われる。
近接防空火器としては、国産の新型CIWSである730型30mmCIWS(H/PJ12型7管30毫米艦炮)が艦橋直前とヘリコプター格納庫上に搭載された。730型は、7つの銃身を持つ30mmガトリング機関砲とレーダー/EOセンサーから構成される。730型の発射速度は毎分4,600-5,800発で最大射程3kmとなっている。艦首部に装備している100mm単装砲は、1980年代初期にフランスから購入したクルーゾ・ロワール社製T100Cをコピー・改良した艦砲にステルス形状のシールドを装着したものと思われる。自動装填装置により発射速度は毎分90発、射程は対水上で17km、対空で6kmと言われる。砲の管制は344型(MR-34)レーダーにより行う。この他の対艦ミサイル防御としては、艦載ヘリ格納庫の直前に18連装チャフ・フレア発射機が片舷2基づつ搭載されている。搭載ヘリコプターはZ-9C(直昇9C)が2機ともいわれるが、格納庫のシャッターは左舷側に1つだけであり、搭載機数は1機の可能性が高い。
寸法と写真から判断すると、主船体と機関部は052B型駆逐艦と同一で、旅海級の船体に旅滬級の機関部を組み合わせた設計と考えられる。アメリカのアーレイ・バーク級駆逐艦は、SPY-1Dフェイズド・アレイ・レーダーの射界確保を設計の最優先事項として、艦の全般的な配置から細部の艤装までをその制約下で決定したが[2]、052C型は052B型と共通の船体にフェイズド・アレイ・レーダーを後付で組み込んだ形になっておりレーダー配置の自由度はアーレイ・バーク級よりも低いものになっている[1]。052C型はフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナを装備するために052B型よりも艦橋構造が1層高くなっているが、それでもアンテナの装備位置が低く平面捜索範囲が少なくなるデメリットを有している[6]。特に後部アンテナは船体後部の各種構造物による干渉でレーダーの射界に問題があると思われる。(艦後部にヘリ搭載格納庫を増設したアーレイ・バーク級フライトIIA型は、後部構造物との干渉を避けるため後部SPY-1Dアンテナの搭載位置を上げて対応している。)
▼アーレイ・バーク級、同級フライトIIA、052C型のレーダー配置比較
アーレイ・バーク級自体の配置位置がそれほど高いものではなく、捜索範囲がタイコンデロガ級巡洋艦よりも減少している事が指摘された事があるが、052C型の搭載位置はさらに低い事が見て取れる。
また052C型は艦橋に正横方向と後方に向かった窓が無く視界が取れない。このため艦橋上にペリスコープが取り付けられている。052B型の船体と共通化したことは、艦隊行動をとる上で性能を同じに出来ること、設計や建造の手間の節約等のメリットもあるが、052B型に比べて大型の防空システムを搭載した052C型にとってはいささか手狭であり、フェーズド・アレイ・レーダーの位置等に苦労することになり、対艦ミサイルの搭載数も052B型の半数になっている。
052C型は、同時に建造された052B型と共に南洋艦隊に所属している。052C型の射程100km級のHQ-9対空ミサイルと052B型の射程50km級の9M38M2対空ミサイルは、艦隊に重層式エリアディフェンス網を提供することを可能としている。
| 1番艦 | 蘭州 | Lanzhou | 170 | 2004年7月就役。南海艦隊所属。 |
| 2番艦 | 海口 | Haikou | 171 | 2005年就役。南海艦隊所属。 |
【参考資料】
[1]世界の艦船2005年9月号「注目の中国新型艦艇3 052C型駆逐艦」(海人社編集部/海人社)
[2]世界の艦船2006年12月号「世界のイージス艦とミニ・イージス艦」(海人社編集部/海人社)
[3]軍事研究(株ジャパン・ミリタリー・レビュー)
[4]戦場文集2006年6月号(第2巻) 「碧海争鋒-中日両国駆護衛艦艇50年的発展対比與反思」(新民月報社)
[5]Chinese Defence Today
[6]軍武狂人夢
中国海軍
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【続き】
Posted by rglc85tj8h 2009年04月26日(日) 06:33:15上面図をみても、上部構造物の配置にかんする配慮の差が出ている事がご理解いただけると思います。
文章だけでは分かり難いと思い、同位置縮尺にした側面図を元にしてレーダーの配置を比較する図を掲載いたしました。正確な海面からの高さが分かればよかったのですが、それが記載された資料は見つけられませんでした。
以上のように記載を修正いたしました。
今後とも当wikiをよろしくお願い申し上げます。
それでは失礼いたします。
>お願い 様
Posted by rglc85tj8h 2009年04月26日(日) 06:32:31始めまして。当wikiの執筆者の1人の rglc85tj8h です。貴重なご指摘を頂き誠にありがとうございます。
052C型のフェイズド・アレイ・レーダーの搭載位置が低いことは世界の艦船や中国語のいくつかの軍事サイトで指摘されています。また、設計当初からSPY-1Dレーダーに最適化した船体設計を行ったアーレイ・バーク級に比べるとその配置には問題があると指摘されています。
アーレイ・バーク級
http://www.globalsecurity.org/military/systems/ship/ddg-51-schem.htm
052C型(図では「Type 052B Luyang I Guangzhou」となっていますが、これが052C型です。
http://www.globalsecurity.org/military/world/china/luhai-schem.htm
本文でフェイズドアレーレーダーに関してアンテナの装備位置が低く、特に後部アンテナはレーダー射界に問題があると書かれていますが、アーレイ・バーク級イージス艦の画像(http://www.arleighburke.navy.mil/default.aspx)と比べてもレーダーの装備位置の高さの差はよくわかりません。もう少し具体的に示してもらえませんか。
Posted by お願い 2009年04月25日(土) 01:02:55