ロック ◆FC91vFcmb2 3スレ目本編

156 :No.1-69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 03:33:16.92 ID:758niH4t
どこかで僕の知らない鳥(?)声が聞こえる。
僕の知っている烏や梟もこの世界では微妙に違う存在だ。
そういえばウィンダスに行けばフライングフィシュもどきが飛んでるのかな。
チョコボで走れば半日で着くはずだから行ってみてもいいかもしれない。
(チョコボ装備が必要だが。タロンギで放り出されたくないもんだ)

僕とガルカさんとクゥダフの戦士はゆっくりと鉱山区を目指す。
ゲームの中では数分でついてしまう距離だが、一秒で一分が過ぎるゲームと一緒にはできない。
全然余談だがケアルIでさえ実際に効果が発現して完了するまで数分かかる。
正直こんな世界で斬りあい殺し合いは避けたいもんだ。


157 :No.1-69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 03:44:25.03 ID:758niH4t
「そうそう。戦争のない国の物語だったっけ」僕がいうと倉庫街に案外響く。
「…カメ野郎の話の所為で忘れてたな」と、ガルカが言うと。
「亀ではない。クゥダフだ」と戦士は否定した。

「武器の刃を落とし、武器の訓練を行いながら観賞用にも使うという習俗は興味がある」
クゥダフって本当に知的好奇心旺盛なのかも知れない。

てけてけと時々跳ねるように歩いて二人の歩調に合わせる。
タルタルの歩くのってかなりはやいが、流石に歩幅が違う。

「千年にわたって同じ王族がいる国の物語…僕日本史苦手なんだけど?」
「…ニホンシというのか。その物語は」…まぁいいや。

「えーととある大陸の東の果てに大きな島国があったんだ…」
僕は話し出した。忘れかけていた故郷の話を。


158 :No.1-69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 04:03:42.14 ID:758niH4t
昔昔、大きな船も鉄の車輪もなかった頃。
星の光を頼りにカヌーをこぎ、波の歌に希望を抱き、
夜の闇に過ぎ去りし共の姿を見た頃からか。
それより遠く、世界が氷に包まれていた頃か。

その国がいつ生まれ、その民が何処から来たのか今では知るものもいません。

ただ、その国が生まれた頃には氷の世界は過ぎ、
その国は地続きだった西の大陸と隔絶された島国となっていました。

東の海は無限のごとく続く大きな大きな海で、
そちらに旅立ったものは帰って来る者はいませんでした。

その島国を統一した王族は、西の大陸の帝に政権を認めてもらうべく、
帝から権威と文化を習う時代が長く続きましたが、

文字、言葉、西の大陸との命をかけた航海はいかんともしがたく、
また、文字を持っていなかったその国は大陸の言葉で自国の物語や情緒を示すことはできませんでした。
結局文字の読みだけを転用し、独自の文字を開発し、大陸とは独自の路線を打ち出すようになります。


159 :既にその名前は使われています :2006/04/16(日) 04:17:11.08 ID:758niH4t
そのときの摂政は、大陸の大国に一通の手紙を送ります。
「日登る国の天子より日沈む国の天子へ。ご機嫌如何?」
大陸の帝は激怒しましたが、はるか海の先に軍を送ることはなく、
その国は自国の王を帝と呼ぶようになります。

しかし帝は一時の時代のみ絶対権力者でありましたが、
実態は帝に認められた政権がその国を運営していく慣わしとなりました。
これが世界にも珍しい長きにわたり続くその国の慣わしです。

帝の権威が失われた時代になると各地で反乱が起こるようになります。
また、土地を開墾し、それを守る人々の中から専門の武装集団が生まれ、
彼らの争いは既に領収がつかなくなり、貴族の力は形骸化していきます。

彼らは武士と名乗り、貴族にとって代わり専門の武装集団として活躍、
本来は反乱を起こす蛮族を討つ役職だった征夷大将軍が国を治める世となります。

やがて将軍の力も衰え、武士達がお互いの領地を奪い合う内乱の時代になります。
これを諸行無常盛者必衰と呼ぶものもいますが、
帝は今も昔も存在しておりました。この国では帝は不変だったのです。


160 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 04:33:10.65 ID:758niH4t
内乱の時代は実に長く、人々は人を一人殺して一人前の時代を生き抜いていきましたが、
やがて英雄がうまれ、戦乱の世は終結に向かうのは世の慣わし。

長い長い内乱の時代終わり、新たな将軍になった者は、
内乱を禁じ、異国から宗教の力を用いて行われる侵略を防ぐべく、
異国との交易を禁じたため、
多くの民が海の彼方から帰れぬようになり、はるか異国で散りました。
将軍は内政に力を入れて300年にわたる平和の時代を作り上げました。
この長い長い平和の時代に、人を殺さずに剣技の練習を行う技術が発達し、
治水や植林など、国は豊かになっていきます。
が、平和な世は長く続きません。これも真実の物語。
はるか東の無限の海を越えて、鉄の船にのった若い国の戦士たちが開国を迫ってきたのです。


161 :No.1->>69 :2006/04/16(日) 04:39:15.28 ID:758niH4t
人々は選択を迫られました。戦うか、奴隷になるか。
前者を選ぶには政治的にも技術的にもいかんともしがたく、
後者を選ぶことはできなかった彼らは、自国の古い慣わしも心を捨てて、
新しき国の持つ技術や政治形態を模倣するという第三の選択を行いました。
人々は新しき国の力を借りることで侵略の口実を作らずに将軍を倒し、
海外から得た知識と技術で迅速に国を近代化していきます。

西の大陸とその属国はその姿を見て嘲笑しましたが、
西の大陸には既に文化文明を生む力は残ってませんでした。

西の大帝は卑しき新しき国の人々を疎外するべく、
租界をつくりて彼らを隔絶しましたが、やがて租界は西の大帝の住処より豪華で文明的な世界になります。
租界ひとつとっても西の国の力と新しき国の人々の力の差は歴然としていましたが、
それでも新しき国々の人々は世界でもっとも広い領土を持つ西の国を警戒していました。

ですが、綿をめぐった交易差が西の国を滅ぼします。
西の国の綿にたいする代償として、新しき国は阿片を提供したのです。


162 :既にその名前は使われています :2006/04/16(日) 04:47:22.15 ID:758niH4t
阿片により国が乱れた西の国は新しき国々に戦争を挑みますが、
かたや昔ながらの剣と弓、かたや鉄の船と鉄の銃。
戦争は一方的な結果となって西の国は敗退、新しき国々に生きながらバラバラにされる時代になりつつも、
西の国とその属国は目覚めずにいました。

それを見た人々は独自の路線を考え、自力で将軍を倒して新しい国を作ったのです。
将軍が倒される前に行われた阿片の戦争はその国にとっては運命の分かれ道でした。

将軍を倒したからといってもその国は新しい国々にとっては若輩でした。
蛮族の国として1000年もの歴史を持ちながら数々の不平等に耐えねばなりませんでした。

やがて、彼らは新しき国々の信頼を得て発展していきます。
それは軍をひたすら拡大し、弱肉強食の世の習いに従うことでした。
この時代、発展は侵略と戦争の力の結果であったのです。


163 :既にその名前は使われています :2006/04/16(日) 04:58:08.74 ID:758niH4t
その国は西の大陸の北から押し寄せる氷の国の侵略を防ぐべく、
西の半島を独立させて西の国と隔絶させようとしましたが、
半島の大帝の度重なる裏切りの末、西の国との戦いの後、
氷の国との戦争になります。その戦力差は絶望的でした。

この戦いにはもうひとつの側面があります。
自身を神と信じる新しい国々の人種と、
奴隷や猿とされたかの国々の人種との戦い。

半島の国の裏切り、新しき国々との政治的交渉、そして実戦。
何万もの尊い命をはるか西の国の氷の大地に散らして戦争は終結します。
かの国は民の全面協力を得て、氷の国から自国を護りぬきました。
虐げられていた人種の国々の人々は喝采しました。新たな時代を予感して。


164 :既にその名前は使われています :2006/04/16(日) 05:09:38.91 ID:758niH4t
その国は既に植民地の時代の終焉を予見していましたが世の流れには逆らえません。
やがて軍の力が強くなり、押さえが効かなくなって行きます。

加えて人種間の不信により新しい国々との政治的軋轢は広がり、
他国から資源を得ていたその国は輸入ができなくなり、戦争を行わざるを得なくなります。

この戦いでは専制攻撃の末数年で終結させねば国は滅ぶとわかっていましたが、
緒戦の大勝利の勢いも加わり、暴走した軍と高い戦意。次々散る仲間への思い。
民軍問わぬ激しい殺戮にもはやその国の人々は死ぬまで戦うしか選択肢がありませんでしたが、
運命は意外なところで終結します。

邪教を奉じるようになった氷の国が不可侵条約を破り侵略を開始しだしました。
あわてた新しき国の者は新型の兵器の威力を知るためと氷の国を牽制すべく、
新型の兵器を使いました。それは罪無き無辜の民を虐殺し、氷の国を牽制します。

帝は言いました。やり直そうと…。
*****
…当然ぼかしたり歪曲したりしたが1000年にわたる歴史を物語にするのは死ぬかとおもった。
僕はその後の発展をかいつまんで話す。まぁその発展も陰りが見えてることも含めてだが。


170 :既にその名前は使われています :2006/04/16(日) 05:40:20.00 ID:758niH4t
クゥダフが呆れる。
「つまり…お前の国はその兵器で無辜の民を焼き払った奴らと手を組んでると?」
ガルカも驚いた。「お前ウィンダス人ではないのか?」

「い、いや、物語物語!www」僕はぼかす。
鳥の声も朝の鳥の声に変わってきている。かすかに空が白んできた。

「しかし…面白いなその国は」クゥダフは呆れる。「なにがだ?」とガルカは答える。
「自国の無辜の民を焼き払い、勝手に押し付けられた法律を逆利用して、
自国の民を絶対に戦争に巻き込まず、新しき国に戦争を押し付ける。
新しき国は世界のリーダーとして動くために必要な経済力はすべて戦争に費やしているため、
国々の会合を開くだけでもその国の金を頼るしかない…ある意味最高の復讐になっているではないか」

ガルカはそれを聞いて一言「…あー。そうともいうかもしれんな」
ガルカは少し考え込んだ「…なんかそんな国の話聞いたような…まぁいい」

鳥の声が大きく聞こえる。スズメのさえずりさえこの世界は別物だ。
ひょっとしたらスズメではない別の生き物かもしれない。


172 :No1.-69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 05:44:56.08 ID:758niH4t
「今夜は終わり…朝か。夜更かししてしまったな」ガルカは苦笑する。
「今日は幸い休暇だ。ゆっくりしろ」とクゥダフはいう。

「ほれ、坊や。鉱山区に着いたぞ」そういうとガルカは僕の背を押す。
「ふにゅ?」クゥダフの背の上で寝ていたらしい。壮絶に眠い。
よろよろ歩く僕を見て二人は笑った。「ちゃんと帰れるか?」
「うん…クゥダフのおいちゃんが見つかって殺されちゃう前に帰る」
気をつけるんだぞとクゥダフが言うと手を振って背を向けた。
分厚い背甲で背を護る(=背が最大の弱点ってことだよね?)クウダフが背を見せていいのだろうか?

「おいちゃんたち、お名前は?」そういて僕は手を振る。眠気は限界だ。
「ゾルトフだ。よろしくな。可愛いタルタルの坊や。
今夜は楽しかったぜ!今度夜更かししてると食っちまうぞ?!w」


174 :No1.-69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 05:46:04.41 ID:758niH4t
そういって手を振ってスラムに消えていくガルカ。

遠くに見えるクゥダフがふと歩みを止めた。
「我らは卵からうまれる。ゆえに親に特別に与えられる名は無い。
だが、それゆえ兄弟の絆は深い。背なき兄弟よ。
力なく、部族に伝わる名とは違う、親より与えられし名を持つものよ。
我が名は敵にして友たる君がつけるであろう」

そういうと彼は後ろを向いたまま「手を振った」。
僕は手を振ると眠気を耐えて現実世界の名を叫んだ。
「僕の名前は…"S"!君は…雷鳴!"雷鳴のジェン"!」
「いい名だ"S"!雷鳴のジェン!今日から私はそう名乗る。この名はクゥダフの戦士に継がれていくのだ!」

僕はローブで背甲を隠した戦士が視界から消えるまでひたすら手を振った。
この世界で始めてできた友達は。敵。か…。

…その後、数日間僕は『友達』から移された鎧虫のかゆみに悩まされることになる


196 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 10:24:15.47 ID:758niH4t
「…ん…あっ…」…ここで…いいわけ?
「其処…だ…そ、そうだ…ぁっ…ゆっくり…」
なんかもう滅茶苦茶偉そうだな。まったく。
「もう少し人に頼む態度ってのがあるんじゃないかな。…ほら。いい?」
「む…うっ!いいっ!」
「…じゃさんれんぱつ…でいくよ。えいっ!」
「むっ!はっ!はうぁ!」

僕は叫ぶとむくれた。
「もーめんどう!背甲についた鎧虫くらい
殺虫剤振りまくなり、こまめに洗って駆除すればいいの!」


197 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 10:28:05.08 ID:758niH4t
バストゥークでは獣人の存在は認められていないが、
だからといって獣人がいたほうが儲かる一面もあるので、
獣人たちのための娯楽施設や浴場のような設備もある。
(まぁ獣人の多くは風呂など入らないが雑談には向いている)

「背甲の中の小物入れはじめこまめに掃除!とりあえず殺虫剤!
本体は石鹸をつけてきれいに隅々まで洗う!
それで皮膚につく寄生虫、鎧虫を根本から根絶できるの!
背甲は何個も着替え用意する!というか骨格が変わるくらい重くしない!
ごはんは規則正しく、丁寧に寄生虫の卵除去したのを食べる!
排泄物はそこらに流さず、所定の位置に集めて中身を処理!堆肥にする!」


198 :No.1-69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 10:29:28.24 ID:758niH4t
僕が一気にまくし立てると"雷鳴のジェン"は不服そうにつぶやく。
「我らに背甲の中身を見せる習俗はない…交配相手は別だが。
一人だけでは背甲ははずせんし、それでも背を洗えぬ。
重く、強い背甲は強さと名誉の証。確かに重さに耐えれず死ぬ若者もいるが。
汚水処理はやっているが、排泄物も同様に扱うのか?別々か?」

「お得意の技術なり奴隷なり召使をつかえええっ!兄貴にも言ておけー!」
獣人達のたまり場にタルタルの声が響く。
周りの獣人が苦笑するジェスチャを見せる。
「おい。お前人間に名前付けてもらったんだって?」
そういうヤグードに彼は「そうだ」と答える。
「…こいつがお前の好敵手?ぱっとみたかぎりよわっちそうなタルタルなんだが?」
「こやつは詩人だぞ?見た目以上の力がある…はずだ」
はずだって何ですかジェンさん。それにだ。とジェンは笑う。


199 :No.1-69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 10:33:36.98 ID:758niH4t
「こやつは…"P"だ」
ぶっ!なんで僕の隠してるほうのキャラ名しってるんだ!
獣人達の動きが止まり、僕に視線が集まる。「あの?」
…Pの奴って獣人に顔が効いたのか。
「俺の兄の仇…だな」ヤグードが言う。
ジェンが苦笑する「俺の弟の仇でもあるな」…?
「俺の兄弟、あの戦役で散った!果て無き名誉!」オークが叫ぶ。
「もう三年にもなるのか。セルビナ攻防戦のことは」
そういうとジェンは遠くを眺めた。

「ウィンダスの遠征義勇軍のリーダー。
"ザルクヘイムの奇跡"の後、姿を消した若輩冒険者」
…それって…確かにこのゲーム始めたとき遠征軍やってたけど…。
30レベルくらいの赤/シだったっけ?


200 :既にその名前は使われています :2006/04/16(日) 10:43:53.77 ID:758niH4t
コンクエスト。
支配地域でもっとも地域の安定に貢献した3国がその領土を所有するシステムだが、
一時期弱体したウィンダスには喉もとのタロンギ大峡谷、ブブリム半島を獣人に押さえこまれ、
交易や冒険者の往来が非常に危険な状態のまま、一部の腕利きの者や運のよいものを除き、
魔のブブリム半島を越えることができなかった時期が一年に及んだことがあった。
皮肉なことに、冒険者達を中心とした僻地の領土の獲得量に反して常に国の危機にあったのだ。
直轄領のはずのマウラは事実上封鎖され、海路からの補給のみでほとんど持っていた。
ウィンダス所属の若い冒険者はマウラを独力で目指さねばセルビナに向かうことができなかった。
既に補給の耐えていたマウラには冒険者達の修行場としての機能は失われていた。
ウィンダス人は命の危険を冒してセルビナに向かわねば集団戦闘の修行ができなかったのだ。
だが、それは名もなき冒険者と兵士達の奮闘によりマウラ周辺地域奪還と相成り、
現在、コルシュシュ方面は三国のいずれかが安定して領土としている。


201 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 11:04:49.26 ID:758niH4t
 この奇跡に触発されたランク3なりたて、
遠征軍に参加資格を得たばかりの少年がいた。

 彼は仲間を集い、タロンギ半島、メリファト山地、
パシュハウ沼、ジャグナー森林で獣人軍と戦闘を開始する。

 そして、サンドリアとバストゥークの間で領有権争いが行われ、
両国の足並み揃わず、守りが甘くなっていたザルクヘイム地方に、
ホブゴブリン傭兵、クゥダフ、オークの混合精鋭部隊が派遣されたことを察知。
このままではセルビナが封鎖され、マウラともども補給が絶えて滅びる。

盗賊の心得もあった彼はグスゲン鉱山に隠された補給物資を
血を流すことなく奪って奪って奪いつくし、
友人達と作ったわずかな手勢を率いてバルクルム砂丘にて激しい攻防戦を展開。

 絶望的な戦力差だったが、獣人軍の補給戦を完全に断ち切った彼は、
たった三週間の死闘で獣人混成部隊を征し、ウィンダスの御旗が一時期ザルクヘイムにたつことになる。
人はそれを奇跡と呼び、獣人達は恐れた。が、彼は奇跡をおこしたあと何処かへと去っていったという。


202 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/16(日) 11:11:37.68 ID:758niH4t

「(…たしかに、そのとき、遠征軍と採掘ついでにこもってたな)」
箱を遠征軍資格持ちが開けるとポイントがもらえるのだ。

僕がもごもご言ってると雷鳴のジェンは続ける。
「わが名は知性のひらめきの意。セルビナに散った弟の仇がつけた名。
なにか問題でもあるのなら我に勝負を挑め。受けて立とう」

というか、僕自身が知らないことの解説長々とありがとう。
ザルクヘイム所有権争いで多くの血を流したこの国で
僕が本名名乗ったら死亡フラグじゃないか。本当にありがとうございました。

たまり場を出て僕はジェンにつぶやく。
「でも、僕はPのことほとんど知らないんだ」
「俺も、Pの身体がPに戻るまで手伝おう。友よ」
僕の口から、ジェンの口から自然とこの言葉が漏れてびっくりした。
『そのときこそよき戦いを』僕らは武器を手に敬礼を交わした。
今日もよく晴れたいい日だ。昔ならパソコンを叩いてFFしてたのにな。


600 :No.1->69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 03:25:07.12 ID:ei58XsN/
「…鬱だ」ぽかぽかな陽気の下でその戦士は一言つぶやいた。
僕は彼の背甲の上によじ登り、足でぺちぺち背甲を叩く。
小脇にはモーグリさんが作ってくれたお弁当の入ったバスケット。

「おい。ジェン。いい加減機嫌直せ」
そういうガルカは今にも噴出しそうだ。

クゥダフとガルカ、そしてタルタルというわけのわからない組み合わせ。
言うまでもなく僕と「雷鳴のジェン」そしてガルカ族の傭兵のゾルトフ。

「そうは言うがな。ゾルトフよ」人間なら泣いてるのだろうがクゥダフだ。
ポカポカした陽気とうわはらに、彼の表情は冴えない。

「きょうはぴくにっくなのー!文句や不機嫌禁止ー!」
僕がふくれると、彼は黙って歩を歩めるが、すぐに切れた。珍しい。

「スケスケの背甲なんぞ着てると兄者にしれたら、なんと言われるか!!」
そう叫ぶ彼に僕とゾルトフは一言。「いいじゃん」「…問題ないだろが」


601 :No.1->69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 03:25:50.94 ID:ei58XsN/
クゥダフ族の誇り高き戦士達は重く硬い背甲を背負える者ほど、
罪と責任を背負える年長者として地位が高い。
しかし、今日ジェンがつけているのはプラスティックとカーボンでできた新型の背甲だ。
勿論、クゥダフがそんなもの作るわけがない。作ったのはヒュームだ。
反乱計画(?)を練っているといううわさの議員さんである。
「やっぱりさ。"ぷらすちっくくぅだふ”ってつけるのかな?」
「いーや。炭焼き(カーボン)クゥダフだな」と僕とゾルドフがからかう。

「お前も戦場にいったらスケスケの網製のビガーパンツが我が軍の統一装備と
言われたら引くだろうがゾルドフ!!」
ジェンは絶叫したがゾルドフはあっさりと「すまんが見られる快感で抜ける」と答えた。

…聞かなかったことにしておく。


614 :No.1->69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 10:09:17.28 ID:ei58XsN/
「プ…プラスティッククウダフOrz」
ポカポカ陽気の中、肩を落として歩くクウダフの背甲の上に座るタルタル、
ごつい身体に不似合いなサンドイッチの入った可愛いバスケットもったガルカ。
とてつもなく違和感があるけど、ピクニックです。

「朝っぱらからチョー(あの年配の傭兵さん)から
"すぐに来い"と連絡が入って飛んできたら、
クゥダフの背甲に塗料塗る仕事だからな…」
ゾルトフが苦笑して言うと「僕もおねむだったんですけど…」と僕。

『子供は早寝早起き!!』二人に説教されて膨れる僕。ぶう。
荒野に包まれたバストゥークだが、町をでてすぐの小さな山にいけば、
背の低い潅木と青々した草が生えた絶好のピクニックポイントがある。
特に商業区でてすぐの山は野生の凶暴な羊、巨大蜂にミミズにコウモリ、
時々ゴブリンの追いはぎの一派が現れ、ある種の修行の場になっている。
ジェンの背甲に色をつける作業に駆り出された僕は、
なかなか外に出れないジェンにローブを着せてピクニックに誘った。
「従業員(ジェン)を護るため」と称してゾルドフに一緒に行くようにと
チョーさんという年配の傭兵が許可を出してくれた。


615 :No。1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 10:18:33.07 ID:ei58XsN/
「しっかし、あのチョーさんだっけ?隊長さん大物だね」
僕が言うとゾルドフは苦笑した。

「腕も立つし器量もあるし、
傭兵仲間であれば獣人やガルカにも分け隔てなく接する。
…ふざけてるような態度があれだが」
「時々"エンヤーコラヤ!ヨッサラッサコラヤ!ヨロシクー!"と謎の呪文を叫ぶがな」
ジェンが不機嫌そうにつぶやく。…僕も驚いた。何処で覚えたのか謎だ。
「俺が仕込んだ」とゾルトフ。『お前か!!!!』二人が叫ぶ。
20年位前に彼が新兵だったときにゾルドフが仕込んだそうです。
「20年ぶりに再会したら奴は隊長待遇、俺は一介の傭兵だったがな」
ガルカやクゥダフの話を聞いていると何年前かわからないので、
ちょっと聞いてみたら二人とも100年生きてるそうです。そりゃわからん。

時々、ゴブリンザグやクゥダフ兵団の若い者に遭遇するが、
ゾルドフと町からでてローブを脱いだジェンを見るとそそくさと逃げていく。
一人ジェンをみて「貴方様は!!」と叫んだアメジストクゥダフがいたが、
ジェンに「今は一介の傭兵だ…それ以上言うと首が飛ぶぞ」
…といわれて名残惜しそうに去っていった。ジェンって昔なにしてたんだ。


616 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 10:37:28.96 ID:ei58XsN/
はぐれクゥダフはクゥダフ兵団から見たら裏切り者になるのだろうか?
無謀な若いものがジェンにふるえながら剣を振り上げようとしたが、
ジェンが軽く肩を叩いてやるとへなへなと倒れこんだ。

「背甲の重みにまだ耐えられぬ若い者は、
上から課せられた義務を果たすため、決められたことを護るため必死だ。
…が、我々クゥダフといえど時代の流れを掴まねばならん。
お前もその重みに耐えられるほど長生きしたら悟るだろう」
そういって去っていこうとするジェンに僕とゾルトフ。

「やーいやーい三連花火ランチャー装備ー♪」
「目潰しスモークスクリーン機能搭載、超軽量背甲で華麗なステップ踏むクゥダフ」

「頼むから、若い者の前で変なこと言うな!!!!」
クゥダフは耳がいいので遠く離れてからジェンが抗議したが僕らは気にしない。

クゥダフは巨大な獣人だが、実は体格の割に体重は恐ろしく軽い(らしい)。
その体重の重さのほとんどは彼らが一生背負う背甲によるものだ。
勿論一品もので(地位と体力の向上に合わせて新型が支給されるそうだが)、
傭兵としてクゥダフを雇えば寄生虫問題が付きまとう。


617 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 10:43:45.57 ID:ei58XsN/
それを解決したのがこの新型背甲。虫もつかず一人で着脱。洗えてコンパクト。
既存背甲とくらべてどうしようもなく軽いのでシェルバッシュができないが、
それを補って余りある高機能、利便性、搬送時のコンパクトさを実現している。
加えてさまざまな兵器を内蔵しているという便利さがある。
…使用者のクゥダフの気持ちを考えない、透明設計でなければ。だが。

「…こんな『新型兵器テスト』なら立候補しなければよかった」
そうつぶやく彼に僕らは『イキロwww』と返した。

「そろそろつくよー♪」とはしゃぐ僕に対して二人の表情は硬い。「どったの?」
「…感じるかジェン?」「ああ…美味そうな若いヒュームの血のにおいだ」
「…やっぱり飲むのか」「いや、普通飲まん!信じろ!言葉のあやだ!」
いい天気で気持ちよいのにここでも殺し合いか…まったく。
僕は膨れるとジェンから降りて腰に一丁だけもったマーシャルナイフを取り出す。
鞘からは抜いてないが…場合によっては抜かなければならないだろう。


618 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 10:52:43.71 ID:ei58XsN/
僕らはそれぞれの武器を手に慎重に登ると、
冒険者風の風体の死体と彼に倒されたっぽい羊さんを見た。
…ううううーー。絶好のピクニックポイントで殺し合いかOrz

「…この首の傷…人間の仕業か」ゾルドフが言うと、
「だな…この傷はバイパーバイトだ」これはジェン。

…首を後ろから切断された死体なんぞ見たくもない。吐き気がするはずだが、
僕の口が勝手につぶやく「これ、一刀流だよ。シフは最近忍術使いが多いから珍しいね」
僕はサポ詩だのサポ白だのサポ獣だのサポ竜だのだからよくわかる。てかサポ戦忍使えばいいのだが。

僕は周りを警戒する。"誰かが見ている"となぜかわかた。


619 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 11:05:11.43 ID:ei58XsN/
「…おい。P。レイズを」ガルカの戦士に言われて、
「死んでると思うよ」と返す僕だが、よく見ると傷が浅い。
バイパーバイトの毒を速やかに消せば死なないかも知れない。
未熟ではないかも知れないがブランクの長い盗賊の仕事かもしれない。

ガルカが毒消しをふりかけ、僕のレイズが入る。
多分半身不随か毒で脳みそがやられてるかもしれないが助かるだろう。

クゥダフが何かしている。「今夜は羊のステーキか」とゾルドフ。
「いや…矢を抜いてやってるのだがな」「?」

「新型のスリプルアローらしい。
高威力で敵にダメージを与えつつも昏睡状態にできるようだな」
僕はチョコボ厩舎で買ってきた触媒を使う。「『いたわる』ぅー♪」
護身用に獣を操れる暗示(ジョブチェンジ)をしてきたのだ。
「食わないのか」と不満そうにいうゾルドフに、
サンドイッチ作りすぎたもんと返す僕。あとでモグハウスで皆で食う。


620 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/20(木) 11:06:23.46 ID:ei58XsN/
「しかしこの辺のザグはものの価値がわからんからガラクタ盗んだら町の前に放り出してくれるんだが」
そういってゾルドフが言う。「殺すようなこともせんしな。ボコボコにするだけで」
人間は恐ろしい…僕はさっさと引き返すことにした。
僕らが通りかからなければこの男は死んでいただろう。
その男は病院に搬送、僕とジェンはその容疑者にされかかったが、
ゾルドフとチョーさんがとりなして問題なくなった。
その後のその男のことはしらない。まあそれなりに回復して、元気に冒険者やってたらしいが。

帰宅後。…クアールサンドウマーー!と叫ぶ僕に二人は呆れていた。



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【外伝1】


863 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 01:52:15.55 ID:uHjtjHEr
「僕冒険者になるんだ!それも剣と魔法をかっこよく使いこなす赤魔道士!
毎日毎日あなぐらでつるはし振るって、おかあちゃんに馬鹿にされてるとおちゃんみたいにならないよ!」

僕は呆れてつぶやいた。「で。僕にその子を弟子にしろと」
「そうなんです…知り合いに魔法使いで赤魔道士といえばPさんしか・・」

バストゥークは技術の国だ。魔法の力はないというわけではないが、
一般人に魔法を学ぶ機会は絶無といっていい。
(遠征軍人全員に魔行符を支給しているが、あれは高度な魔法技術がいる)

僕は呆れていた。「まぁ、お母さんにはマント貰った恩あるけど」
それだってこの親父さんが仕事をサボらなければ親父さんのものだった。

一回こっきりの初心者用クエNPCの名前なんて覚えてる奴は少ないと思う。
(内容をうろ覚えしてただけでも奇跡だ)
加えて向こうはこっちをよく知っており、僕は知らない。
僕とゾルドフ(ジェンは流石にここにいるとガルカ達と殺し合いになる)は、
銃士達の事情聴取を受けたあとジェンを送り届け、ここに帰ってきたトコに来訪者。
誰かと思ったらこの三名だった。誰かと思ったらクエNPCです。


864 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 02:01:52.48 ID:uHjtjHEr
「…あのね…僕は弟子は取らないんだけど」
とはいったものの実際は別の理由がある。僕ってなんで魔法使えるのだ?
(今の)僕にとって魔法はすらっしゅといって、
空白といったりスペースといったり息を止めたりし、
魔法名を言い、空白ー以下省略ーとやって、
<(小なりとかかっことかいう)>(大なりとかかっこ閉じる)といえば発動する。
理論もなにもない。なぜか使える。それだけだ。これでは教えようがない。


実際のゲームと違って詠唱開始して唱え終わったあとの発動がとてつもなく遅いとか、
(ケアルなんか何分もかかる上、その後実際に傷が治りきるまでかなり待たねばならない)
その上で、まったく同じ魔法を連続して二度唱えることはできない(かなり時間がかかる)はわかる。
ゲーム内で3秒ならヴァナでは3分経っているわけだから。
でも自分が魔法を使える理由はわからん。真面目に。


865 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 02:09:26.47 ID:uHjtjHEr
他にもある。赤魔道士の魔法というのは剣や盾が使えるのが大前提になっているのが多い。
まぁ最近の赤魔道士は後衛だから剣を持つことはないだろうが、
少なくとも武器強化系魔法は武器が使えねば意味がない。
属性や状態異常バリア系は身体や心を鍛えねばバリアである程度防げても本体が死ぬ。
ファランクスは盾で受け止め、剣で受け流して初めて意味がある。
赤魔道士の戦い方は強化と弱体を駆使して戦場の流れを掴むものだ。
総合的な読み、状況変化の把握、もてる技術のすべてのうち必要な能力だけを選択するセンス…。


…現代人の意識がたるっこに紛れ込んだ僕に教えられるわけがない。
大日本帝国剣道型を教えろというならまだなんとかなるが。


867 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 02:22:14.45 ID:uHjtjHEr
「ああいいぞ。当面小間使いだがな」
僕が悩んでると勝手にゾルドフが許可をだしてしまった。
「わーい」とはしゃぐ子供。おいおいゾルドフ!!!!


「いいじゃないか。俺も仕事の邪魔をされなくてすむ。
…ここんところ、傭兵詰め所に押しかけてきたり、
本来バストゥークに"いないはずの"獣人達と遊びまわったりされると、
あの獣人は我が雇い主の私有財産ですとかなんとかフォローに回らんといかん。
加えて我が雇い主はガルカや獣人は撲滅すべきと言っているお人だ。
公約と違うことをしてたら選挙に落ちてしまうではないか」


涼しい顔をするゾルドフに僕はぶーたれた表情を見せてやると彼は大笑いした。


「簡単な魔法だけでも教えてやれよ。ケアルとかさ」
それができないから困ってるの!!!!解れよ!!!


しかし、ジェンは僕が異界から来た人間の意識がPに入ってると知っているが、
ゾルドフは知らないことを思い出した。だからか。
それにゾルドフもジェンも僕が探りを入れてる議員さんに雇われてる立場だ。
僕が議員さんを失脚させるようなことをしたら彼らは職を失うだろうなぁ。


868 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 02:51:42.49 ID:uHjtjHEr
「まず、我が流派の基本は足腰からだよ!」「はい!せんせい!」
自分よりでかい子供にえらそうにしゃべるのってちょっと欝だ。
隣ではゾルドフが吹き出しそうな顔で僕らを見ている。


「…チョーさん、待ってると思うよ。早く帰ったら?」
僕がいうとゾルドフはにやりと笑った。「今週いっぱい、長期で有給をもらった」
なんじゃそりゃーーーーーーーーー!!!
「ふふふ。世間様ではゴールデンウイークなのだよ」傭兵が休み取るな!!!!


「まず、商業区の食材を欲しがるお母さんに食材を届けてお小遣いを稼ぐんだ!」
そういうとダッシュで走る僕と子供。後ろではゾルドフが腹を抱えて笑っている。
ひたすらグスタベルクに自生しているワイルドオニオンを掘ってきてはSalimahさんに渡すのだ。
「どんどんハードになるぞ!」「はい!先生!」


869 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 02:57:29.02 ID:uHjtjHEr
グスタを走るついでに地面から沸く巨大ミミズを斬り倒して(子供は即倒した)火打石や亜鉛を奪い、
天晶堂のtalibに渡したり、Aquillanaさんに渡す。
そのついでに蒸気時計をカニから奪い返したり、
のんびり釣りを三人で楽しむ。釣り含めて合成は将来役に立つ技術である。
謎の装備をして女の子(ブリジッド)に気に入られたり、
骨くずを拾って地図を貰ったり、
走るついでにスタンプラリーを代行したり、釣ったバケツを人にあげたり、
宝石屋でみやげ物を代わりに買ってあげたり、
旅行客の接待の代行、大工房で買ったボムの灰でかまどを掃除、
ボケ入ってる二人の夫婦に何度も贈り物を代わりに合成してあげ、
子供ミスラに花を渡して機嫌を取る。
クリア済みのクエもできるらしい。まぁどうでもいい。
「効率よく、皆の要望に答える!そして皆に信頼されるようにする!
お金も稼げる!仕事も増える!これ冒険者の基本!」
我ながら基本過ぎる。てか何年ぶりだクエストマラソン。


朝から晩まで僕と子供とゾルドフは走る走る走る。
皆が気軽に声をかけてくれる。人気者杉Pたん!!!
そんな無理難題に速やかに応える僕。どうもPは便利屋として見られてたらしい。
身体がしぜんにそれらの要望をサクサクかなえてしまうのだ。


870 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 03:10:23.73 ID:uHjtjHEr
朝から晩まで町中を走り回り、「○○のついでに××」を繰り返す。
これはこまめにメモを取らないと忘れるかなり難しい作業だ。
加えてバストゥーク中の裏道小道に精通していないといけない。


…リアルでやると超大変だ。そりゃクエで稼ぐのは、はやらんと思う。
夜が来たら(竹刀はこの世界にないので)棒を布で保護した剣で打ち合う。
まぁ体裁きからだが筋は悪くはない。数日で少年は「切り返し」を真似できるようになった。
…僕よりよっぽど上達がいいじゃないか…。まぁマラソンで足腰はしっかりしてるだろうが。


ゾルドフが一言。「…その剣技。珍しいな。両手刀…か?」
剣道に西洋剣でいう防御は一切ない。すべて切り返したり流したり先手を撃つことで防ぐ。
刀で受け止めたら刀が壊れるからだろうが、そもそも僕は防御など知らない。
(盾はアンティカ達に一応習ったが、個々の存命を重視しない彼らにとっての盾は武器の一種でしかない。
だからこそ剣道ベースの僕には習得しやすそうと判断できたのだ)


ゾルドフの有給が終わる時、チョーさんたちがにやりと笑いながら来た。
「ゾルドフ、一緒にガルカンソーセージやかねぇか?」


871 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 03:27:41.69 ID:uHjtjHEr
夜は魔物が潜むという。古来、電気の灯りのない頃の人間は夜に死と妖精の世界を見出した。
この世界には僕の知っている電灯がない。夜は暗くてトイレにいくのも怖い。
なにが怖いって落し所を誤るとお尻にうんこが跳ね上がってくるのだ。
暗闇の中、穴だけの便所はやばすぎる。てか足を踏み込んだらヤバイ。
子供のころ、開放教育とかで被差別部落の共同便所の話が出てたがまさにアレだ。
バストゥーク政府よ。速やかに鉱山区の便所事情を改善することを要請する!
これは開放のための光と闘いである!!・・・ってなんか違う。


そんな僕らだが、大工房のはらぺこガルカの依頼を受けていたこともあり同意した。


メンバーは僕とゾルトフ、ジェン、チョーさん、あの調子のいい若い兵隊さん(セリスと名乗った)、
押しかけ弟子の子供とその両親のZelmenさんにTamiさん。
そんでもって、山に登る途中、羊を連れたゴブリンザクに遭遇。
ゴブリンに一瞬びびるTamiさんたちだが、次の瞬間にはゾルドフのパンチでゴブリンはねむらされた(?)。


872 :No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 03:30:03.90 ID:uHjtjHEr
気がついたら僕とゴブリンは一緒にソーセージを焼いている。
羊は子供と遊んでいる。
(羊がでかすぎたのと食材は足りていたのと、ゴブリンが反対するのでこれを食材にするのは断念した)

tamiさんとzelmenさんが乾杯してお酒を飲む。
セリスさんは僕とゴブリンの仕事の補助をしてくれる。
軽口に反して女の子のようにまめで細やかな仕事する人だ。
焼き加減や木切れの量など細かいところを指導してくれる。
僕もゴブリンも美味い燻製の焼き方など知らないので感心させられるばかり。
そんな僕らにこまめに休憩や差し入れをしてくれるチョーさん。
ゾルドフとジェンは肉を焼こうとしては焼きすぎとかレアすぎとか、
クウダフの俺は血が多いのが好みだとかいやいや黒こげが一番だとか言い合っている。
勝手にやってろ。というか手伝ってよね…。
2006年06月25日(日) 17:27:15 Modified by jikyaramatome