命を解く…夏目漱石の場合(1)

実際に「命式」をといてみよう。夏目漱石の命を、生まれた家庭・結婚のこと・漱石の病気のことなどを中心にしながら診てみたい。

◆命式をとく 
 夏目漱石 慶応三年一月五日申時生まれ(新暦・二月九日)

  正官 丁 卯(乙)   正財
  食神 壬 寅(甲丙戊) 偏財・偏官・偏印
      庚 申(庚壬戊) 比肩・食神・偏印
  偏財 甲 申(庚壬戊) 比肩・食神・偏印
      空亡 子丑   節入り二月四日未時

立運……一年八カ月(戊辰年の戌月より大運が始まる)
交運……戊・癸の年の戌月にあうごとに大運が変わる。

 初二 辛 丑……数え年二才の十月から十年間がこの運。
 十二 庚 子……十二才の十月から十年間。
 二二 己 亥     以下 同じ
 三二 戊 戌
 四二 丁 酉
 五二 丙 申
 六二 乙 未
 
 命式の五行の状態を概観してみよう。
 日主は庚金である。春、寅の月に生まれている。つまり春の金である。寅の月は、庚金が最も弱くなっている時である。また年支は卯木であり、時干には甲木があり、更に年干の丁と月干の壬は干合して木に化し、それぞれ丁火・壬水としての能力を失っている。

     (化木)丁 卯(木)
     (化木)壬 寅(木)
    日主(金)庚 申(金)
       (木)甲 申(金)
                    
 日主庚金を援助するものは、日支の申金と時支の申金だけである。あとはすべて木であり、木気の大変に強い命であることがわかる。

 多いものは減らし、少ないものは助け、五行のバランスを取る、というのが命理の基本的な考え方である。大過している木を剋すものは金である。日主庚金は、力を奮って木を剋さねばならないが、しかし、あまりにも木気に対して、自身の勢いが弱いのである。

 ちょうど、一丁の斧を持って鬱蒼と茂った森林に分け入ったようなもので、「金剋木」とはいっても、木があまりにも多く堅いと、斧の刃はぼろぼろとこぼれて、かえって自らが傷ついてしまう。日主が傷を受けることは免れない。

 幸いに日支は申金であり、時支も申金である。この二つの金の援助を得て斧の刃を硬くして、はじめて木を伐採して用材として用いることができる。

一、日主の強弱…衰弱の甚だしい命である。
二、用神…日主にとって、最も大切なものを用神という。
   申金比肩が、日主庚金を助けることを以て用神とする。

三、喜忌…吉は金・土。 凶は水・木・火
   日主庚金と同気である金、及び金を生ずる土(土生金)を喜ぶ。
   大過している木、及びそれを更に生ずる水(水生木)を忌む。
   火は木気を洩らし(木生火)、土を生ずる(火生土)という働き
   があるが、その一方で日主庚金を剋すこともある(火剋金)。

四、大運…一つの干支が十年間をつかさどる。
   干が五年、支が五年と、五年ずつに分けて見ることもある。
   金・土の干支の時は吉運。
   水・木・火の干支の時は凶運である。
2005年12月23日(金) 02:25:56 Modified by iwakuro




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