ガンスリンガー・ばばあ //ジョゼ
 // //,AU,Snippet,WIP,/Humor/ 5717Byte / Text// 2004-08-10


ガンスリンガー・ばばあ


困困…



突然のドアのノックは部屋中のテロリストの腰を浮かせた。

真昼だというのにブラインドを全て締め切った薄暗い部屋の中で、

自動小銃を思い思いに肩に下げた男達が揃って玄関のドアに意識

を向ける。



場所はナポリ市街の裏路地に面したアパートの一室、ここは政府に

テロ活動を仕掛ける五共和国派の数あるネストの一つである。

中年のリーダーはテーブルに広げた付箋と暗号だらけのイタリア南部

と北部のそれぞれの地図を折り畳んだ。

折りしもつい先ほどカラーブリアで仲間のアジトが襲撃されたという

情報を受け取ったばかりだった。



リーダー「ルーイ、誰か見て見ろ」

ルーイが拳銃を後ろ手に隠しながらドアの来客レンズを覗くと、

スーツ姿の男が、こちらに向かって微笑んでいるのが見えた。



少し気を抜きかけたが、その背後にはシナチクのように干からびた人影を見つけ、

ルーイは視界を広げようと目をレンズに押し付ける。

ルーイ (なんだ?あのババアは?)

それはラーメンの出前箱を持った全裸姿の老婆だった。

顔こそうつむいてて見えなかったが、垂れきった乳房、

皺くちゃの顔、シミだらけのざらりとした肌をしている。



陰毛の影から女陰が顔を出し、そのスジにはエナメルのような照り返しが光る。



見るからに気違いな組み合わせだったが、怪しもうにも

両手に下げた出前箱を所在投げに肩でぷらぷらしている

様はどこかのさびれたラーメン屋のババアにしか見えない。

リーダー「ルーイ 何か見えるか?」

ルーイ 「ええと・・・男一人と…裸の…ばばあです。」

リーダー「?????????????・・・開けろ」

ルーイ 「はい」

ドアノブに手をかけたルーイの後ろで小さい安堵の息とソファがきしむ音がした



意外にもすんなりとドアが空いたので、ジョゼは応対者の背後に

視線を散らしながら満面の笑顔を披露した。

ジョゼ「こんにちは、ベニーロ・ラーメソケータリングです。」

ルーイ 「何の用だ?」

ジョゼ 「はい、こちらにご注文の料理をお届けに参りました。」

ルーイ 「飯など頼んだ覚えは無い、帰れ」

ジョセ 「しかし・・確かにこの住所だと伺ったのですが」

ルーイ 「おい、知らないって言ってるだろうが、いい加減にしないと 痛い目に・・おオッ!!・」



脅しのつもりでジョゼ山の胸ぐらを掴んだルーイ、途端にその腕が後ろ手に捻りあげられる。

ジョセ 「是非ともご賞味いただきたいのですが。」

ジョゼは毛ほども表情を崩していない。

ルーイ 「離せ!この野郎!、知らんと言ってるだろうが、てめえ本当にラーメン屋か!?」

リーダー「何をやっているんだ、あいつは」

玄関の喧騒を他所にリーダーは内ポケットからポケットティッシュを取り出しながら

テーブル上のケンタッキーフライドチキンにかぶりつく。



チキンの匂いが玄関まで届いたとき、うつむいていたババアの目が怪しく煌いた。

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