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gunsringergirl_ss2 2009年10月21日(水) 19:13:54
ガンスリンガー・SAC 〜もしも、義体が子供モトコだったら〜 //
//クラエソの日記作者さん// // Crossover,Vignette,/Action /15746Byte /Text //2004-07-15
ガンスリンガー・SAC 〜もしも、義体が子供モトコだったら〜
五共和国派アジトのアパート前
「アルバニア人を確認するまで動くなよ」
社会福祉公社の課員ジョゼは、目標のアパートを目の前にして時計を見ると
、後ろのバイオリンケースを持ったあどけないながらも鋭い目を持つ少女を
振り返り、確認をするように言った。
モトコ 「わかっているわ」
モトコと呼ばれた少女は一瞬遠くを見るようなまなざしを見せると、13歳
とは思えない落ち着いた声を返しながらジョゼの背中に駆け寄る。
グレイの戦闘服にも似たスポーティタイプのブルゾンに薄い胸が見えるラン
ニング、そして少しお尻を露出したスポーティな半ズボン。
少しくせのあるボーイッシュな髪から覗く瞳は、あどけなさを残しながらも
どこか大人びた強力な決断力と意思を感じさせた。
ジョゼはうなずくと玄関に向かって歩き始める。
意外に新しいアパートの玄関に入っていくジョゼの背中に続きながら、少女
の瞳が再び遥か遠くを見るようなまなざしに変化した。
「電脳」、すでにモトコの脳裏には、凄まじい量の情報が光の奔流の様に刹
那の速さで渦巻いている。
101010101010000001111010101110110001010010100011001110101011001011000
モトコ (トグサ、イシカワ、周囲の状況を報告しろ)
イシカワ (公社の手配による住人の退避と周囲の封鎖を確認、公社側の配置
も確認した、いまから全員に送る)
トグサ (こちらトグサ、目標の両隣の部屋はパズとで抑えました、こちら
からは室内の様子は音だけですが拾えます」
モトコ (よし、そのまま私の合図で突入できるようにしておけ、タチコマ
、配置についたか?)
タチコマ (ハーイ、アジトの窓に到着ぅー、映像送りまーす)
モトコの視野にアジトの中を窓の外からブラインド越しに覗いている映像が
映った、タチコマからの映像だ、ビルの外壁に張り付いて内視センサーで窓
を覗いているらしい。
ブラインドの隙間を拡大すると、自動小銃で武装する男たちに混じって、リ
ーダーらしき中年の男性らしき人影が見える。
横顔から立体デジタル造顔処理を施し手配情報と照合、130個中121の
特徴がHIT、情報は正しいようだ。
バトー 「少佐、トグサの盗聴からアジト内の声門分析をかけているが、ア
ルバニア人はそこにはいねえぜ」
モトコ (他の部屋という可能性は?)
イシカワ(アパート全体の住人の入居書類を当たってみたが、義名も前科者
も無しだ、借りた形跡はそのアジト以外は無い、こりゃ移された
後かもな?)
モトコ (タチコマの建物のスキャンが終わってからでないと何とも言えな
いわね、建物の部屋以外の場所かもしれない、あるいはその周辺
か、タチコマ、建物のスキャンはどこまで進・・・)00001101010
11001011001101011111000111010101010111010101011011010101011011110
ジョゼ 「どうした?」
突然ジョゼが物思いにふけるようなモトコに声をかける。
モトコ 「いえ、 どうかした?」
ジョゼ 「いや、考え事をしているように見えたので」
モトコ 「気のせいでしょ」
ジョゼ 「そうか」
モトコ 「そうよ」0001110100111111000000000010101011011111010000110
タチコマ(・・・造解析しなきゃいけないから、後10分でーす!)
ボーマ (どうやら設計図と違う部分が出てきたぞ、屋上の排気ダクト周辺
だ、)
サイトー(少佐、向かいのビルの屋上の公社側の狙撃手だが、手を打たなくて
いいのか?)
モトコ (イシカワに任せてある、手を出される前に終わらせるわよ)
イシカワ(それより、アジト内に電脳化している奴がゼロだから脳潜・・)1110011010010110101000011100011101010111100011001101000001111010001111011
ジョゼ 「モトコ?」
モトコ 「何?」
モトコは何事も無かったかのように顔を見上げた。
ジョゼ 「さっきからどこかで話し声がしないか?」
モトコ 「いえ?、周りには誰もいないけど」
モトコは低い背を少し伸ばすとレンガ風味のタイルを貼ったアパートの階段を
見上げる、一つ上ればアジトのある階だ。
ジョゼ 「そうか、さっきから誰も見えないのに、すぐそばで沢山会話を
されている気がするんだが」
モトコ 「疲れているのよ、ここ一週間ベッドで寝たこと無いんでしょ?」
ジョゼ 「ああ」
モトコ 「ほら、目の周りにくまが出来てる、いい男が台無しね」
ジョゼ 「そ・・そうかな?、確かに最近妙にデスクワークが多いんだ」
見た目は少女のモトコなのだが、大人っぽい仕草や言葉にジョゼはどぎまぎ
してしまう。
思えば、渡された資料を元に始めに出合った病院でこの少女を選んだのはジ
ョゼだったが、今になってみれば、本当は自分が彼女を選んだつもりで、実
はどことなくモトコに選ばれた、そんな考えが時折ジョゼの脳裏の片隅を占
めて離れないでいるのだ。
モトコ 「どうかした?、ジョゼ」
ジョゼ 「あ・ああ、なんでもない」
モトコ 「早く終わらせましょう」
ジョゼ 「そうだな、行こう」
モトコに促されてアジトのドアの前に立つジョゼ、少しネクタイを整えると
ジョゼはドアをノックした。
トントン
リーダー「ルーイ 何か見えるか?」
ルーイ 「ええと・・・背広の男と少女です」
リーダー「どんな感じだ?」
ルーイ 「男の方はどことなく目つきが悪いし、少女の方もどうも妙に
大人びてやがる、どことなく油断できない感じです」
リーダー「例の少女を使った殺し屋という情報もある、開けるな、帰るまで
見張っていろ」
ルーイ 「はい」
トントン
ドアの外ではジョゼがノックを続けていた。
ジョゼ 「こんにちは?、もしもし?、・・誰かいませんか?」
ジョゼが横目でドア脇の電気メーターを見る、確かに回っている
あからさまな居留守だ。
モトコ 「どうするの? 埒があかないわよ」
モトコの瞳がジョゼを見上げる。
ジョゼ 「何、よくあることさ、じっくりいこう」
モトコ 「ええ」000101111111100000110100000001101011110010100110
イシカワ(少佐、1時間前にアジトに仲間から連絡が入っている、カラーブリ
アのアジトが襲撃されたと言う内容だ、奴ら今、疑心暗鬼だな。」
モトコ (イシカワ、電話相手の声紋を使ってアジトに偽情報を流せ、内
容はそうだな、油断して私たちを部屋に入れられるものならな
んでも良い、任せる)
イシカワ (それなら俺に考えがある、周辺のテレビの電波をしばらくジャ
ックさせてくれ、5-6分で終わる)
モトコ (了解、許可する)01010011101011111110100000100100001011010
ジョゼ 「もしもし・・もしもし? いるんですよね、・・・・反応して
くれないな」
モトコ 「私が代わってみる?」
ジョゼ 「子供なら油断するかもな、もう少しして駄目なら頼もう」
モトコ 「そうね、心変わりするかもしれないし」
ジョゼ 「?」
それから一分もしないうちに、アジト内では一本の携帯が鳴った
手下 「リーダー、連絡屋の番号からですがどうします?、出ますか?」
リーダー「貸せ、もしもし私だ、どういうつもりだ? カラーブリアが襲わ
れたから、この番号は用心のためにしばらく使わない筈だが?・・
何?、テレビがどうした?」
リーダーが携帯を耳に当てたまま、テーブルの上のリモコンを持ち上げると
プツンと音がしてテレビに何かの一斉逮捕の映像が写る。
電波状態が悪いのかそれとも、現地の撮影スタッフがよほど現場に近い場所
にいるのか、銃撃の音が響くそばからアングルが目まぐるしくぶれて画質が
相当に悪い。
リーダー(なんだ、これはデモ隊の衝突か?)
なおも眺めるとカラーブリアでマフィアの一斉検挙が行われ、それに伴い
激しい銃撃戦が起こり、警察官・マフィア双方大勢の死傷者が出たと言う
内容をナレーションが淡々と報じていた。
リーダーはふうっと息を吐き、リラックスした様子でソファに深く腰掛け
ると、二・三言何事かを頷いて電話を切る。
手下 「どういうことです?」
リーダー「襲撃の情報は間違いだった、カラーブリアは健在だ、テレビの
通りカラーブリアに拠点を持つシチリアマフィアの一斉摘発で
銃撃戦が近くで行われたため、カラーブリアと近くの連絡拠点が
一時的に混乱しているらしい、増員も良いが連絡体制の人数配分
について上も考えて欲しいものだ。」
手下 「そうでしたか、マフィアなら万歳だ、何人殺されようがぶち込ま
れようが知ったことか、シャンパンをあけよう」
リーダー「あの様子では警察もしばらくは他に手を伸ばす余裕は無いな、
しかし、念のため上からアルバニア人共々近々このアジトを引き
払う指示が来るそうだ、準備をしておけ」
手下 「外のうるさいのはどうします?」
リーダー「多分無関係だろう、ただ、アジトの撤収前に玄関に居座られても
困る、ルーイに伝えろ、適当にあしらって追い返しておけ」
一方、外のドアが開く気配がしたのは、ジョゼがそろそろモトコに交代しよ
うかと思いかけた矢先だった。
ジョゼが一歩身を引くと、ドアを顔一つ分開けて目つきが悪いチンピラ風の
男が顔を出した。
ルーイ 「何の用だ」
ジョゼ 「こんにちは、私はリベロイターリア誌の記者をしている者で、コ
ステロ社のスカロ氏がこちらにいらっしゃると聞いて取材を・・」
0100011100111001111101010101101001000111001010101010101111111001
モトコ (早かったわね、どうやったの?)。
イシカワ (何、ただ通話相手の声紋を使っても問答されるとボロが出るか
らな、手短かに一方的にテレビを見るように促したのさ。
後はイタリア国内の未使用のニュース映像を適当にチョイス・味
付けした素材をマフィア逮捕の方向で4分に編集、電波ジャック
で流してみた。
「カラーブリア襲撃の情報は、実はマフィアの捕り物の誤りでし
た」ってな、そろそろ映像が切れる頃だろう)。
モトコ (あきれた、未使用の映像ですって?、どんなつてを使ったのか
は聞かないけど)。
イシカワ (この国は1グループがメディアを独占しているからな。
まあ、EUの巨大メディアの中でもトップクラスの犯罪情報を持ち
ながら政府とべったりだから、当然外に出ない素材も多い、報道
畑の骨がある奴の中には現状に不満を持つものも少なくなくてな
、以前からのもちつもたれつという奴だ。
む? それより少佐、ボーマがアルバニア人を発見した)。
コンソールパネルだけが青白く光る薄暗い移動特殊端末車両の中、イシカワ
の隣でボーマが端末ヘッドセットをはずしながら別画面でタチコマから送ら
れる指向性超音波振動スキャンと赤外線スキャンの分析結果を確認している。
ボーマ (こちらボーマ、アルバニア人だが、タチコマのスキャンで屋上
排気ダクト内に隠れているのが見つかった。
心音・体温共に正常、奴さん差し入れには不自由しなかったよう
だな)。
モトコ (よし、パズ、そこはタチコマに任せて屋上でアルバニア人の確保
へ向かえ、下のテロリストに気づかれるな)。
パズ (了解、ボーマ、アルバニア人の携帯を頼む)。
ボーマ (おう、枝は張ってある)
ドアを挟んで押し問答をするジョゼの後ろで、モトコは隣の部屋のドアが静
かに薄く開くのを見た。
少女の横顔が小さくうなずくとドアはまた少し開き、まるでごく薄い陽炎の
ような物を吐き出した、熱光学迷彩だ。
それは少女の背後を通り過ぎると、小さな風と共にショートの髪を揺らす。
一般人はそこにいても何が起こったのかわからない光景だが、ピザ屋に偽装
した移動特殊端末車両兼指揮車両を介して作戦中の隊員全員の共有データと
して高密並列デジタル補完処理されたもう一つのモトコの視野には、足早に
銃を構えて通り過ぎていくパズの姿を見ていた。
モトコ (よし、バトー、トグサそちらはどうだ。)
バトー (おう、ビルに張り付くのも待ちくたびれたぜ)
トグサ (いつでもいいですよ)
モトコの脳裏に力強い二人の応答が同時に響く、バトーはビルの壁面に張り
付き窓の中をセンサーで覗くタチコマのコクピットから、トグサはアジトの
隣の部屋からの応答だ。
バトーは熱光学迷彩を発動しながらタチコマから半分ぶら下がる格好で身を
乗り出している、トグサは丁度壁に人一人納まる大きさに貼られたCF4プラ
スチック爆薬に小型無線信管を取り付け終わった所だ。
モトコ (ふ、この作戦が終わったら9課にも有望な新人が入る予定だ。
楽しみにしておけ、最もこの作戦の成功いかんだがな)。
バトー (ヒュー、トグサよ、かっこ悪いとこ見せるなよ♪)。
トグサ (そっちこそ、うかうかしてるなよ)。
二人の掛け合いに被さるように全隊員の電脳野にモトコの指示が響く。
モトコ (バトーとトグサはパズがアルバニア人を確保したら突入。
イシカワとボーマは公社側を含む一切の周辺電波と通信を封鎖、
サイトーは今のポジションで待機、バトーのタチコマの映像とテ
ロリストの赤外線位置情報を送る、援護しろ!)。
全員 (了解!)。
001010101010100000010111111110100010101101000111101010101100101
モトコが顔を上げると、ジョゼはドア越しでルーイに食い下がっている最
中だった。
//クラエソの日記作者さん// // Crossover,Vignette,/Action /15746Byte /Text //2004-07-15
ガンスリンガー・SAC 〜もしも、義体が子供モトコだったら〜
五共和国派アジトのアパート前
「アルバニア人を確認するまで動くなよ」
社会福祉公社の課員ジョゼは、目標のアパートを目の前にして時計を見ると
、後ろのバイオリンケースを持ったあどけないながらも鋭い目を持つ少女を
振り返り、確認をするように言った。
モトコ 「わかっているわ」
モトコと呼ばれた少女は一瞬遠くを見るようなまなざしを見せると、13歳
とは思えない落ち着いた声を返しながらジョゼの背中に駆け寄る。
グレイの戦闘服にも似たスポーティタイプのブルゾンに薄い胸が見えるラン
ニング、そして少しお尻を露出したスポーティな半ズボン。
少しくせのあるボーイッシュな髪から覗く瞳は、あどけなさを残しながらも
どこか大人びた強力な決断力と意思を感じさせた。
ジョゼはうなずくと玄関に向かって歩き始める。
意外に新しいアパートの玄関に入っていくジョゼの背中に続きながら、少女
の瞳が再び遥か遠くを見るようなまなざしに変化した。
「電脳」、すでにモトコの脳裏には、凄まじい量の情報が光の奔流の様に刹
那の速さで渦巻いている。
101010101010000001111010101110110001010010100011001110101011001011000
モトコ (トグサ、イシカワ、周囲の状況を報告しろ)
イシカワ (公社の手配による住人の退避と周囲の封鎖を確認、公社側の配置
も確認した、いまから全員に送る)
トグサ (こちらトグサ、目標の両隣の部屋はパズとで抑えました、こちら
からは室内の様子は音だけですが拾えます」
モトコ (よし、そのまま私の合図で突入できるようにしておけ、タチコマ
、配置についたか?)
タチコマ (ハーイ、アジトの窓に到着ぅー、映像送りまーす)
モトコの視野にアジトの中を窓の外からブラインド越しに覗いている映像が
映った、タチコマからの映像だ、ビルの外壁に張り付いて内視センサーで窓
を覗いているらしい。
ブラインドの隙間を拡大すると、自動小銃で武装する男たちに混じって、リ
ーダーらしき中年の男性らしき人影が見える。
横顔から立体デジタル造顔処理を施し手配情報と照合、130個中121の
特徴がHIT、情報は正しいようだ。
バトー 「少佐、トグサの盗聴からアジト内の声門分析をかけているが、ア
ルバニア人はそこにはいねえぜ」
モトコ (他の部屋という可能性は?)
イシカワ(アパート全体の住人の入居書類を当たってみたが、義名も前科者
も無しだ、借りた形跡はそのアジト以外は無い、こりゃ移された
後かもな?)
モトコ (タチコマの建物のスキャンが終わってからでないと何とも言えな
いわね、建物の部屋以外の場所かもしれない、あるいはその周辺
か、タチコマ、建物のスキャンはどこまで進・・・)00001101010
11001011001101011111000111010101010111010101011011010101011011110
ジョゼ 「どうした?」
突然ジョゼが物思いにふけるようなモトコに声をかける。
モトコ 「いえ、 どうかした?」
ジョゼ 「いや、考え事をしているように見えたので」
モトコ 「気のせいでしょ」
ジョゼ 「そうか」
モトコ 「そうよ」0001110100111111000000000010101011011111010000110
タチコマ(・・・造解析しなきゃいけないから、後10分でーす!)
ボーマ (どうやら設計図と違う部分が出てきたぞ、屋上の排気ダクト周辺
だ、)
サイトー(少佐、向かいのビルの屋上の公社側の狙撃手だが、手を打たなくて
いいのか?)
モトコ (イシカワに任せてある、手を出される前に終わらせるわよ)
イシカワ(それより、アジト内に電脳化している奴がゼロだから脳潜・・)1110011010010110101000011100011101010111100011001101000001111010001111011
ジョゼ 「モトコ?」
モトコ 「何?」
モトコは何事も無かったかのように顔を見上げた。
ジョゼ 「さっきからどこかで話し声がしないか?」
モトコ 「いえ?、周りには誰もいないけど」
モトコは低い背を少し伸ばすとレンガ風味のタイルを貼ったアパートの階段を
見上げる、一つ上ればアジトのある階だ。
ジョゼ 「そうか、さっきから誰も見えないのに、すぐそばで沢山会話を
されている気がするんだが」
モトコ 「疲れているのよ、ここ一週間ベッドで寝たこと無いんでしょ?」
ジョゼ 「ああ」
モトコ 「ほら、目の周りにくまが出来てる、いい男が台無しね」
ジョゼ 「そ・・そうかな?、確かに最近妙にデスクワークが多いんだ」
見た目は少女のモトコなのだが、大人っぽい仕草や言葉にジョゼはどぎまぎ
してしまう。
思えば、渡された資料を元に始めに出合った病院でこの少女を選んだのはジ
ョゼだったが、今になってみれば、本当は自分が彼女を選んだつもりで、実
はどことなくモトコに選ばれた、そんな考えが時折ジョゼの脳裏の片隅を占
めて離れないでいるのだ。
モトコ 「どうかした?、ジョゼ」
ジョゼ 「あ・ああ、なんでもない」
モトコ 「早く終わらせましょう」
ジョゼ 「そうだな、行こう」
モトコに促されてアジトのドアの前に立つジョゼ、少しネクタイを整えると
ジョゼはドアをノックした。
トントン
リーダー「ルーイ 何か見えるか?」
ルーイ 「ええと・・・背広の男と少女です」
リーダー「どんな感じだ?」
ルーイ 「男の方はどことなく目つきが悪いし、少女の方もどうも妙に
大人びてやがる、どことなく油断できない感じです」
リーダー「例の少女を使った殺し屋という情報もある、開けるな、帰るまで
見張っていろ」
ルーイ 「はい」
トントン
ドアの外ではジョゼがノックを続けていた。
ジョゼ 「こんにちは?、もしもし?、・・誰かいませんか?」
ジョゼが横目でドア脇の電気メーターを見る、確かに回っている
あからさまな居留守だ。
モトコ 「どうするの? 埒があかないわよ」
モトコの瞳がジョゼを見上げる。
ジョゼ 「何、よくあることさ、じっくりいこう」
モトコ 「ええ」000101111111100000110100000001101011110010100110
イシカワ(少佐、1時間前にアジトに仲間から連絡が入っている、カラーブリ
アのアジトが襲撃されたと言う内容だ、奴ら今、疑心暗鬼だな。」
モトコ (イシカワ、電話相手の声紋を使ってアジトに偽情報を流せ、内
容はそうだな、油断して私たちを部屋に入れられるものならな
んでも良い、任せる)
イシカワ (それなら俺に考えがある、周辺のテレビの電波をしばらくジャ
ックさせてくれ、5-6分で終わる)
モトコ (了解、許可する)01010011101011111110100000100100001011010
ジョゼ 「もしもし・・もしもし? いるんですよね、・・・・反応して
くれないな」
モトコ 「私が代わってみる?」
ジョゼ 「子供なら油断するかもな、もう少しして駄目なら頼もう」
モトコ 「そうね、心変わりするかもしれないし」
ジョゼ 「?」
それから一分もしないうちに、アジト内では一本の携帯が鳴った
手下 「リーダー、連絡屋の番号からですがどうします?、出ますか?」
リーダー「貸せ、もしもし私だ、どういうつもりだ? カラーブリアが襲わ
れたから、この番号は用心のためにしばらく使わない筈だが?・・
何?、テレビがどうした?」
リーダーが携帯を耳に当てたまま、テーブルの上のリモコンを持ち上げると
プツンと音がしてテレビに何かの一斉逮捕の映像が写る。
電波状態が悪いのかそれとも、現地の撮影スタッフがよほど現場に近い場所
にいるのか、銃撃の音が響くそばからアングルが目まぐるしくぶれて画質が
相当に悪い。
リーダー(なんだ、これはデモ隊の衝突か?)
なおも眺めるとカラーブリアでマフィアの一斉検挙が行われ、それに伴い
激しい銃撃戦が起こり、警察官・マフィア双方大勢の死傷者が出たと言う
内容をナレーションが淡々と報じていた。
リーダーはふうっと息を吐き、リラックスした様子でソファに深く腰掛け
ると、二・三言何事かを頷いて電話を切る。
手下 「どういうことです?」
リーダー「襲撃の情報は間違いだった、カラーブリアは健在だ、テレビの
通りカラーブリアに拠点を持つシチリアマフィアの一斉摘発で
銃撃戦が近くで行われたため、カラーブリアと近くの連絡拠点が
一時的に混乱しているらしい、増員も良いが連絡体制の人数配分
について上も考えて欲しいものだ。」
手下 「そうでしたか、マフィアなら万歳だ、何人殺されようがぶち込ま
れようが知ったことか、シャンパンをあけよう」
リーダー「あの様子では警察もしばらくは他に手を伸ばす余裕は無いな、
しかし、念のため上からアルバニア人共々近々このアジトを引き
払う指示が来るそうだ、準備をしておけ」
手下 「外のうるさいのはどうします?」
リーダー「多分無関係だろう、ただ、アジトの撤収前に玄関に居座られても
困る、ルーイに伝えろ、適当にあしらって追い返しておけ」
一方、外のドアが開く気配がしたのは、ジョゼがそろそろモトコに交代しよ
うかと思いかけた矢先だった。
ジョゼが一歩身を引くと、ドアを顔一つ分開けて目つきが悪いチンピラ風の
男が顔を出した。
ルーイ 「何の用だ」
ジョゼ 「こんにちは、私はリベロイターリア誌の記者をしている者で、コ
ステロ社のスカロ氏がこちらにいらっしゃると聞いて取材を・・」
0100011100111001111101010101101001000111001010101010101111111001
モトコ (早かったわね、どうやったの?)。
イシカワ (何、ただ通話相手の声紋を使っても問答されるとボロが出るか
らな、手短かに一方的にテレビを見るように促したのさ。
後はイタリア国内の未使用のニュース映像を適当にチョイス・味
付けした素材をマフィア逮捕の方向で4分に編集、電波ジャック
で流してみた。
「カラーブリア襲撃の情報は、実はマフィアの捕り物の誤りでし
た」ってな、そろそろ映像が切れる頃だろう)。
モトコ (あきれた、未使用の映像ですって?、どんなつてを使ったのか
は聞かないけど)。
イシカワ (この国は1グループがメディアを独占しているからな。
まあ、EUの巨大メディアの中でもトップクラスの犯罪情報を持ち
ながら政府とべったりだから、当然外に出ない素材も多い、報道
畑の骨がある奴の中には現状に不満を持つものも少なくなくてな
、以前からのもちつもたれつという奴だ。
む? それより少佐、ボーマがアルバニア人を発見した)。
コンソールパネルだけが青白く光る薄暗い移動特殊端末車両の中、イシカワ
の隣でボーマが端末ヘッドセットをはずしながら別画面でタチコマから送ら
れる指向性超音波振動スキャンと赤外線スキャンの分析結果を確認している。
ボーマ (こちらボーマ、アルバニア人だが、タチコマのスキャンで屋上
排気ダクト内に隠れているのが見つかった。
心音・体温共に正常、奴さん差し入れには不自由しなかったよう
だな)。
モトコ (よし、パズ、そこはタチコマに任せて屋上でアルバニア人の確保
へ向かえ、下のテロリストに気づかれるな)。
パズ (了解、ボーマ、アルバニア人の携帯を頼む)。
ボーマ (おう、枝は張ってある)
ドアを挟んで押し問答をするジョゼの後ろで、モトコは隣の部屋のドアが静
かに薄く開くのを見た。
少女の横顔が小さくうなずくとドアはまた少し開き、まるでごく薄い陽炎の
ような物を吐き出した、熱光学迷彩だ。
それは少女の背後を通り過ぎると、小さな風と共にショートの髪を揺らす。
一般人はそこにいても何が起こったのかわからない光景だが、ピザ屋に偽装
した移動特殊端末車両兼指揮車両を介して作戦中の隊員全員の共有データと
して高密並列デジタル補完処理されたもう一つのモトコの視野には、足早に
銃を構えて通り過ぎていくパズの姿を見ていた。
モトコ (よし、バトー、トグサそちらはどうだ。)
バトー (おう、ビルに張り付くのも待ちくたびれたぜ)
トグサ (いつでもいいですよ)
モトコの脳裏に力強い二人の応答が同時に響く、バトーはビルの壁面に張り
付き窓の中をセンサーで覗くタチコマのコクピットから、トグサはアジトの
隣の部屋からの応答だ。
バトーは熱光学迷彩を発動しながらタチコマから半分ぶら下がる格好で身を
乗り出している、トグサは丁度壁に人一人納まる大きさに貼られたCF4プラ
スチック爆薬に小型無線信管を取り付け終わった所だ。
モトコ (ふ、この作戦が終わったら9課にも有望な新人が入る予定だ。
楽しみにしておけ、最もこの作戦の成功いかんだがな)。
バトー (ヒュー、トグサよ、かっこ悪いとこ見せるなよ♪)。
トグサ (そっちこそ、うかうかしてるなよ)。
二人の掛け合いに被さるように全隊員の電脳野にモトコの指示が響く。
モトコ (バトーとトグサはパズがアルバニア人を確保したら突入。
イシカワとボーマは公社側を含む一切の周辺電波と通信を封鎖、
サイトーは今のポジションで待機、バトーのタチコマの映像とテ
ロリストの赤外線位置情報を送る、援護しろ!)。
全員 (了解!)。
001010101010100000010111111110100010101101000111101010101100101
モトコが顔を上げると、ジョゼはドア越しでルーイに食い下がっている最
中だった。
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Posted by pon 2010年02月08日(月) 15:39:26ニューオープン
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