1985年9月、高知刑務所の刑務官Mが、役所で妻の戸籍をとったさい、担当の市役所の公務員が、妻の戸籍の本籍が同和地区だと、漏らした。
帰った後、激怒したMが妻を執拗に問い詰め、一升瓶で殴るなどして、救急車を呼ぶこととなった。妻は、子どもとともに身の安全から別居を余儀なくされた。
Mは、Mの子どもに「お父さんはお母さんにだまされて結婚した。お母さんはエタじゃった。お父さんは士族じゃ」と、家系図と除籍簿を見せて、自分の方にくるようせまった。
部落解放同盟が調査し、確認作業を進め、問題行為者のMと同時に高知刑務所の所長らが出席した確認会・糾弾会の実現を図ったが、法務省側が妨害して実現しなかった。また、妻の本籍が、同和地区でないことがはっきりしたため、Mは妻と和解した。
Mの傷害罪は、明白であり、かつ法の執行する刑務官が、差別的動機から、妻に傷害を追わせた事件は、和解した妻が刑事処罰を望まず、刑事処分はされなかった。ただ、Mは、定年よりも1年早く退職し、退職金をかすめとった。
Mの所業はもとより、差別暴行傷害犯たるMの刑務官としての勤務を認めていた法務省側に対して、非難の声があがった。
部落解放同盟のほか、高知地方法務局も調査に乗り出した。
1986年3月25日の参議院法務委員会で、寺田熊雄参議院議員の質問で取り上げられる。
帰った後、激怒したMが妻を執拗に問い詰め、一升瓶で殴るなどして、救急車を呼ぶこととなった。妻は、子どもとともに身の安全から別居を余儀なくされた。
Mは、Mの子どもに「お父さんはお母さんにだまされて結婚した。お母さんはエタじゃった。お父さんは士族じゃ」と、家系図と除籍簿を見せて、自分の方にくるようせまった。
部落解放同盟が調査し、確認作業を進め、問題行為者のMと同時に高知刑務所の所長らが出席した確認会・糾弾会の実現を図ったが、法務省側が妨害して実現しなかった。また、妻の本籍が、同和地区でないことがはっきりしたため、Mは妻と和解した。
Mの傷害罪は、明白であり、かつ法の執行する刑務官が、差別的動機から、妻に傷害を追わせた事件は、和解した妻が刑事処罰を望まず、刑事処分はされなかった。ただ、Mは、定年よりも1年早く退職し、退職金をかすめとった。
Mの所業はもとより、差別暴行傷害犯たるMの刑務官としての勤務を認めていた法務省側に対して、非難の声があがった。
部落解放同盟のほか、高知地方法務局も調査に乗り出した。
1986年3月25日の参議院法務委員会で、寺田熊雄参議院議員の質問で取り上げられる。
全国のあいつぐ差別事件 59p 〜 60p − 部落解放研究所より転載
1985年9月、高知刑務官Mによる悪質な差別事件が生起している。
事件の内容は、M刑務官が、別居中の二人の子どもを妻のもとから、自分のもとにとりもどす目的で二人の子どもに、家系図と除籍簿を見せて、「お父さんはお母さんにだまされて結婚した。お母さんはエタじゃった。お父さんは士族じゃ」と語ったというもの。
この事件の究明活動の中で、M刑務官は「○○や××はエタじゃ」「この店の人は○○出身じゃきエタじゃ」などと日常的に差別発言をしていたことも明らかになった。
このような悪質な刑務官を生み出した法務省の責任は重大であるが、部落解放同盟による確認・糾弾会に当人ならびに所長らが出席することを妨害し、ついには定年よりも一年早く退職させるという、許すことのできない差別的対応をしている。
これら、国家公務員による差別事件を直視したとき、国こそが率先して「同和」研修に取り組む必要があることがわかる
1985年9月、高知刑務官Mによる悪質な差別事件が生起している。
事件の内容は、M刑務官が、別居中の二人の子どもを妻のもとから、自分のもとにとりもどす目的で二人の子どもに、家系図と除籍簿を見せて、「お父さんはお母さんにだまされて結婚した。お母さんはエタじゃった。お父さんは士族じゃ」と語ったというもの。
この事件の究明活動の中で、M刑務官は「○○や××はエタじゃ」「この店の人は○○出身じゃきエタじゃ」などと日常的に差別発言をしていたことも明らかになった。
このような悪質な刑務官を生み出した法務省の責任は重大であるが、部落解放同盟による確認・糾弾会に当人ならびに所長らが出席することを妨害し、ついには定年よりも一年早く退職させるという、許すことのできない差別的対応をしている。
これら、国家公務員による差別事件を直視したとき、国こそが率先して「同和」研修に取り組む必要があることがわかる
参議院会議録情報第104国会法務委員会第3号−昭和61年3月25日より転載
(前略)
○寺田熊雄君
ちょっとまだ大臣の本当のお気持ちが今の御答弁では十分にお伺いできぬような気がしますが、またさらにお伺いすることにして、ちょっと人権擁護局長が私と同じ質問内容で予算委員会の方に御出席の予定のようでありますから、ここでその方をお尋ねしたいんですが、後で石山矯正局長にまた詳しくお尋ねをさせていただきます。
人権擁護局長もお聞き及びと思いますけれども、最近、高知刑務所で刑務官の差別事件が発生をいたしました。これは衆議院法務委員会でも論議がなされたようであります。しかし、どうもこの発言内容を見てみますと、非常に重大な差別発言であって、今どきこんな考えを持っている人がなお存在するのかという驚きにたえないわけであります。
それからもう一つは、後で石山局長にもお尋ねしますが、今の行刑は教育を理念としておりますね。ところが、差別意識を持った人間が教育を理念とする行刑を担当する資格といいますか、能力といいますか、そういうものを持っているだろうかというような気持ちを払拭することができません。人権擁護局長として、このような差別発言の内容はもう御承知になっておりますか。まず、それからお伺いします。
○政府委員(野崎幸雄君)
存じております。
○寺田熊雄君
我々としてはもうこの席で繰り返すことさえも容易ではないような発言さえもその刑務官は現実にしたようであります。このような差別意識が今なお国民の間に残っている。しかも、それが国家公務員の中にある。しかも、それも教育を担当する、教育を理念とする刑務官の中にあったということで、一層私どもにとっては遺憾の念にたえないんですが、人権擁護局長としてはどういう所感をお持ちになりますか。
○政府委員(野崎幸雄君)
委員も御承知のとおり、私ども法務省の人権擁護機関は創設以来、部落差別の解消のために懸命の努力をしてまいったのでございますが、その人権擁護機関を持っております法務省の部内におきまして、しかも今委員が御指摘になりましたような教育的な仕事もあわせ持っております刑務官がこのような差別発言をいたしましたことは、もう非常に遺憾なことでございまして、私どももこれまでの努力の至らなかったことを痛切に感じ、こういうことが二度と起きないように今後は一層の努力をしなければならないということを痛感いたしておるところでございます。
現に今、高知地方法務局におきましてこの事件につきましては人権侵犯事件として立件をいたしまして、既に相当回数の調査と啓発を行っております。なお調査すべきところが少し残っておりますので、その調査をさらに行いまして事件の全容を明らかにいたしますとともに、徹底的な啓発を行いたい、かように考えておるところでございます。
○寺田熊雄君
この問題で部落解放同盟と法務省との間にある程度の交渉がなされたように聞いておるのでありますが、部落解放同盟としてはその前身である水平社の昔から、この種の差別事件が起きました場合には、そうした差別的な言動をいたしましたその当該の人物を糾弾するということをずっと歴史的にやってきておりますね。あなた方は、自己の部内の職員である、部下であるというところから、それを糾弾会に出したがらないようなお気持ちのようでありますけれども、しかしこれを是正するといっても部内の教育研修というようなことでそれが十分果たされ得るのか、私どもとしては疑問に思わざるを得ないわけです。そういうことを専門にやってきた団体は、あなた方は民間団体ということを非常に強調なさるけれども、営利を目的とする団体ではないので、そういう差別を払拭することを使命とする団体なのでありますから、そういう団体の糾弾会に出て、誤った意識を洗い流すということが非常に効果を持つのではないだろうかと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(野崎幸雄君)
現在、同和問題に関しまして部落差別等が起きましたときに啓発をする機関といたしましては、法務省の人権擁護機関のほかに、今先生御指摘になりました解放同盟の確認・糾弾会あるいは都道府県、市町村の同和を担当する部署が行っております啓発等、いろいろな啓発がございます。ただ、その中で法律に基づいて設置され、法律に基づいて人権侵犯事件を調査し審理する機関は私どもの人権擁護機関が一つだけでございまして、私どもとしましてはそのことを非常に誇りに思ってこれまで仕事をしてまいっておるところでございます。
私どもは、先ほど申し上げましたとおり、法務省の部内においてこのような差別事件の起きたということを本当に残念に思っております。そうして今、人権擁護機関を挙げてこの問題に真剣に取り組んでおるわけでございます。私どもといたしましては、法律によって与えられた職責を果たすためには、今回の事件について十分の、いやそれ以上に十二分の啓発効果が上がるまで徹底的な啓発をいたすつもりでございます。したがいまして、それが終わった後あるいはその前に他の行政機関あるいは民間運動団体の啓発に事件をゆだねるということは、どうも私どもの存在意義そのものを自分で否定するようなことにもなるわけでございますので、私どもとしましては人権擁護機関の権威にかけても徹底的な啓発を行いたい、かように考えておるものでございます。
(以下略)
(前略)
○寺田熊雄君
ちょっとまだ大臣の本当のお気持ちが今の御答弁では十分にお伺いできぬような気がしますが、またさらにお伺いすることにして、ちょっと人権擁護局長が私と同じ質問内容で予算委員会の方に御出席の予定のようでありますから、ここでその方をお尋ねしたいんですが、後で石山矯正局長にまた詳しくお尋ねをさせていただきます。
人権擁護局長もお聞き及びと思いますけれども、最近、高知刑務所で刑務官の差別事件が発生をいたしました。これは衆議院法務委員会でも論議がなされたようであります。しかし、どうもこの発言内容を見てみますと、非常に重大な差別発言であって、今どきこんな考えを持っている人がなお存在するのかという驚きにたえないわけであります。
それからもう一つは、後で石山局長にもお尋ねしますが、今の行刑は教育を理念としておりますね。ところが、差別意識を持った人間が教育を理念とする行刑を担当する資格といいますか、能力といいますか、そういうものを持っているだろうかというような気持ちを払拭することができません。人権擁護局長として、このような差別発言の内容はもう御承知になっておりますか。まず、それからお伺いします。
○政府委員(野崎幸雄君)
存じております。
○寺田熊雄君
我々としてはもうこの席で繰り返すことさえも容易ではないような発言さえもその刑務官は現実にしたようであります。このような差別意識が今なお国民の間に残っている。しかも、それが国家公務員の中にある。しかも、それも教育を担当する、教育を理念とする刑務官の中にあったということで、一層私どもにとっては遺憾の念にたえないんですが、人権擁護局長としてはどういう所感をお持ちになりますか。
○政府委員(野崎幸雄君)
委員も御承知のとおり、私ども法務省の人権擁護機関は創設以来、部落差別の解消のために懸命の努力をしてまいったのでございますが、その人権擁護機関を持っております法務省の部内におきまして、しかも今委員が御指摘になりましたような教育的な仕事もあわせ持っております刑務官がこのような差別発言をいたしましたことは、もう非常に遺憾なことでございまして、私どももこれまでの努力の至らなかったことを痛切に感じ、こういうことが二度と起きないように今後は一層の努力をしなければならないということを痛感いたしておるところでございます。
現に今、高知地方法務局におきましてこの事件につきましては人権侵犯事件として立件をいたしまして、既に相当回数の調査と啓発を行っております。なお調査すべきところが少し残っておりますので、その調査をさらに行いまして事件の全容を明らかにいたしますとともに、徹底的な啓発を行いたい、かように考えておるところでございます。
○寺田熊雄君
この問題で部落解放同盟と法務省との間にある程度の交渉がなされたように聞いておるのでありますが、部落解放同盟としてはその前身である水平社の昔から、この種の差別事件が起きました場合には、そうした差別的な言動をいたしましたその当該の人物を糾弾するということをずっと歴史的にやってきておりますね。あなた方は、自己の部内の職員である、部下であるというところから、それを糾弾会に出したがらないようなお気持ちのようでありますけれども、しかしこれを是正するといっても部内の教育研修というようなことでそれが十分果たされ得るのか、私どもとしては疑問に思わざるを得ないわけです。そういうことを専門にやってきた団体は、あなた方は民間団体ということを非常に強調なさるけれども、営利を目的とする団体ではないので、そういう差別を払拭することを使命とする団体なのでありますから、そういう団体の糾弾会に出て、誤った意識を洗い流すということが非常に効果を持つのではないだろうかと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(野崎幸雄君)
現在、同和問題に関しまして部落差別等が起きましたときに啓発をする機関といたしましては、法務省の人権擁護機関のほかに、今先生御指摘になりました解放同盟の確認・糾弾会あるいは都道府県、市町村の同和を担当する部署が行っております啓発等、いろいろな啓発がございます。ただ、その中で法律に基づいて設置され、法律に基づいて人権侵犯事件を調査し審理する機関は私どもの人権擁護機関が一つだけでございまして、私どもとしましてはそのことを非常に誇りに思ってこれまで仕事をしてまいっておるところでございます。
私どもは、先ほど申し上げましたとおり、法務省の部内においてこのような差別事件の起きたということを本当に残念に思っております。そうして今、人権擁護機関を挙げてこの問題に真剣に取り組んでおるわけでございます。私どもといたしましては、法律によって与えられた職責を果たすためには、今回の事件について十分の、いやそれ以上に十二分の啓発効果が上がるまで徹底的な啓発をいたすつもりでございます。したがいまして、それが終わった後あるいはその前に他の行政機関あるいは民間運動団体の啓発に事件をゆだねるということは、どうも私どもの存在意義そのものを自分で否定するようなことにもなるわけでございますので、私どもとしましては人権擁護機関の権威にかけても徹底的な啓発を行いたい、かように考えておるものでございます。
(以下略)
刑務官M
当然、暴行傷害事件の加害者である。また、動機も、部落差別に由来するものである。よって、刑事裁判の上、実刑が確定しても不思議はない。
懲戒免職および告発を前提とした責任追及がなされるべきである。
懲戒免職および告発を前提とした責任追及がなされるべきである。
刑務官Mの上司
部落差別による暴行傷害事件を起こした刑務官Mの勤務について、確認会・糾弾会での説明が求められる。
また、刑務所の他の刑務官の部落問題に対しての意識が問われる。
分限降任や自発的辞職を視野に入れた責任追及がなされることも大いにありえる。
また、刑務所の他の刑務官の部落問題に対しての意識が問われる。
分限降任や自発的辞職を視野に入れた責任追及がなされることも大いにありえる。